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Presented By SORCERIAN Next team.
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2017-2020, SORCERIAN Next Team
0 ――安政7年 世間は一人の男の所業で大きく揺れていた。 その男は日本に張り巡らされた『鎖国』という結界に内から楔を打ち、海の外にある八百万を引き入れてしまった。 それは希望でもあったが、日の国にとっては不当で未知多きものでもあった。 もちろん開国に対する反対もあった。 しかし、開国に反対したものはことごとくが弾圧、粛清され、要人は命を絶つこととなる。 安政の名とは裏腹に獄では収まらぬ大獄が生み出されたのだ。 それも一人の男の手によって。 ――将軍さえも手中に収めたと噂されるその男の名を井伊直弼(いいなおすけ)という。 [次へ](1) 1 ここまでの幕末ソーサリアン! あらすじ ペンタウァのはるかな東、日本! <鎖国>と呼ばれる独自の国策でもって、外界の侵入を数百年にもわたって拒んできた神秘の国に、いま侵略の手は伸びようとしていた。 西の新興国家アメリカ合衆国である。 彼らの躍進に"魔"の暗躍を予感したエティスの言葉を受け、あなたは黒船サスケハナに潜入し、"魔"の勢力が関与していないかを調査する。 そこであなたは悪夢のようなできごとを体験し、ガッシュをはじめとする魔の勢力、そして<黒真珠>が日本へ向かったことを知るのだった。 その後、日本の鎖国は一人の男の独断で解かれ、日本は他国からの様々なものが流入するようになる。 人も、金も、文化も、そして魔も……。 ――時は安政7年3月。 あなたは、何かに導かれるように江戸の町へと調査に訪れていた。 ※チェック※ あなたはシナリオを始める前にキャラクターの成長を行ってもよい。 成長を行う場合、画面右のBattleSheetを開き、記載された成長ルールにしたがって成長を完了させること。 シナリオ現実績解除状況 + 序:${result_rate?baku01} % + 弐:${result_rate?baku02} % + 参:${result_rate?baku03} % + 肆:${result_rate?baku04} % + 伍:${result_rate?baku05} % + 陸:${result_rate?baku06} % [次へ](2) 2 空は晴れ、息をすれば冷たい空気がのどを通り過ぎる。 三月にしてはやや肌寒い気候だ。 江戸の町に着いたあなたは活気づいた町の雰囲気に驚いた。 長屋が立ち並び、往来を人が、商人が、様々なものが、流れていく。 世界からかの地を隔離する結界『鎖国』が壊れたことにより、ほかの国から物資、技術の流入が始まり、江戸の町は大いに賑わっていた。 だがところどころでは崩れた家が残り、うなだれ、じっと座り込んでいる子供や浮浪者が目に付く。 あなたは何があったのかと町人に尋ねると、5年前、江戸に大地震が起こったのをきっかけに、台風、流行病と立て続けに災害が起こり、どうにもできなくなってしまった者だという。 新たなものに沸き立つ陰で、闇が深く濃くなっている。それが今の江戸の姿であった。 (さて――――……) [街を散策する](11) [茶屋に入る(HP+20)](21 "!f01") [茶屋に入る](22 "f01") 10 どうも「弐・桜田門外の変」の作者の鏡読みです。 シナリオ、幕末ソーサリアンはお楽しみいただけているでしょうか? こんなところに隠してあるメッセージを見つけてしまうとは、あなたよっぽどのせっかちさんか、知りたがりやさんですね。 ああ、はい、すみません。 そういうつもりじゃないんです。 ちょっとシナリオの話をさせていただければと思いまして……。 このシナリオで取り扱っている『桜田門外の変』は安政7年に起きた事件です。 天皇をないがしろにして独断で開国を進めた『井伊直弼』を元水戸藩士16人+1人が暗殺(暗殺というにはだいぶ豪快に突っ込んだらしいですけど)したという、見届け役までしっかり用意し、後世に伝える気満々なのがうかがえる実に気合の入った暗殺事件です。 そこにファンタジー要素をからめつつ、歴史上でもなんか不透明(調査不足かも?)の井伊直弼の思惑をからめつつなお話しになっています。 シナリオを作る上で井伊直弼の立ち位置や、有村には頭を悩ませました。 特に有村、史実でも「井伊直弼を殺した北辰一刀流(暴れん坊将軍の上様が使う剣術)の使い手の水戸藩士ではなく薩摩藩士、後に切腹しようとして自害用の刀を忘れて雪を食べているところを助けられて絶命する」という書いているこっちが、自分の正気を疑うレベルの設定マシマシマン。 (多分殺したのは水戸藩士でも水戸の脱藩士でもないよーって言い訳用の人だった気もしますが) そんな史実に負けないようにと頭を悩ませ頑張りました。 シナリオラストは熱め展開にできたと思うので、 ぜひ『序:黒船来航』をクリアしてからもう一度遊びに来ていたけると幸いです。 でわでわ~。 11 あなたは周囲を見渡し、町を散策することにした。 江戸の町は広い、城下ということもあって様々な店が並んでいる。 小一時間歩いたところで、ふと人の往来の中できょろきょろとあたりを見渡している男が目に入る。 焦った様子で「困った……どこに行ったんだ」とぶつぶつ大きな独り言を呟いている。 身なりは町人のようだが、その足運びには違和感を感じる。 あなたは声をかけてもいいし、無用のトラブルを避けて、無視してもいい。 [声をかけてみる](31) [見てみぬふりをする](32) 21 「いらっしゃい~」 立ち寄った茶屋はなかなかの賑わいだった。 あなたは空いた席に着き、人心地をついた。 すかさず注文を取りに来た元気そうな娘が注文を取りに来た。 「なになに、旅の人? うちの団子は絶品だよ」 娘に勧められるままに団子と茶を頼み、一口ほおばると上品な甘みが口の中を駆け巡り、何とも言えない至福感があなたを包む。 「おお、素敵な喰いっぷり! 100本はいける! 今すぐ買うのだ~」 さすがにそれだけ食べることはできなかったが、あなたはかなりの量を食べる羽目になった。 [戻る](2) 22 いくらあの団子がおいしくてもこれ以上は食べることができない。 [戻る](2) 31 あなたはその町人に声をかけた。 「うわ!? あなたは?」 驚いた男は、警戒した顔であなたをにらみつけてきた。 「俺に何か用ですか?」 あなたは無用なトラブルを避けるべく、自身を脱藩した旅の者と名乗った。 どうやら男はその話を信じ、警戒を緩めたようだ。 なにか、共感するところがあったのだろうか? 「俺の名は広岡子之次郎。……その、刀を盗まれてしまってな」 広岡はポツリポツリと自身のことを話し始めた。 彼は水戸を脱藩し、放浪している元藩士なのだそうなのだが、先ほど刀を何者かに盗まれてしまったそうなのだ。 「ああ! あそこ!」 話の途中であったが、広岡は突然声を上げ、路地裏に指を刺した。 その指の先にはボロになった着物を引っ掛けた男たちが三人。 中心人物の男だろうか、ほかの男たちより頭一つ大きい男が刀を担ぎ、げらげらとほかの男たちと笑っている。 「くそう! 俺の刀を! 返しやがれッ!」 広岡が路地裏に突っ走っていく。 [ちょっとまった](41) 32 あなたは無用のトラブルを避けることにした。 「ちょいとそこの旅のお方」 [声をかけられた方を向く](42) 41 一対三では、明らかに不利であろう。 あなたは乗りかかった船と広岡の後を追いかけることにした。 「助太刀ありがたい」 広岡の了承を聞き、あなたは彼と肩を並べる。 「だれかと思えば間抜けなお侍どのじゃねえか」 刀を担いだ大男が、その刀を抜きこちらをにらみつけてくる。 「それは俺の刀だ。返してもらおうか」 「いやだね。盗まれるあんたが悪いんだよ」 刀を持っている大男に対して、広岡は素手だ。 さすがにそれは不利であろう。 あなたは広岡の前に進みでて、ここは引き受けると、二人の間に割って入った。 「あい、分かった。俺は左右の雑魚を片付けたら加勢する」 各々の役割を決め、広岡とあなたは飛び出した。 ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に敵のHPを0にすること。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](51) [戦闘に敗北した場合](61) 42 あなたが振り向くとそこには士族だろうか、上等な着物を身にまとった男性が一人立っていた。 男はあなたと目が合うと、うっすらシワの入った顔をにかりと笑わせた。 背丈はさほど大きくはない、脇に刀を差してはいるが、さしたる実力者のようには見受けられないそんな印象の男だ。 「私は旗本の十四男坊、皆からは、親しみを込めてチャカ坊と……いや、さすがに坊という歳でもないですから、チャカさんとでも呼んでください」 男は身分を明かし、竹を割ったように口早にあなたに食い掛かってきた。 「江戸はお初で? よければ旅の話でも聞かせてはくれんか? なにぶん十四男坊なんて暇人なのだ。だがどこかへ行くこともできない身、せめて旅人の話を聞き、見聞を広めるのが私の人生の暇つぶしなもので、ささ、よかったらあっちの茶屋にでも。おごりますよ~」 がしりと腕をつかまれ、ぐいぐいと茶屋に引き込んでくる。 あなたはしぶしぶチャカと茶屋の席をともにした。 「ほお、なるほど、なるほど、その地方では芋を甘味として食べているのですね。実に面白いです」 茶屋に入り串団子をほおばりながら、チャカはあなたの話に歳不相応に目を輝かせた。 どうやらあなたの話は気にいってもらえたようだ。 あなたは彼の態度に乗せられさらに話を続けていった。 「やや、いつの間にやらこのような時間になってしまいましたな」 気が付けば日が暮れはじめていた。 [そろそろいかなければ](52) 51 戦闘慣れしたあなたとの戦いに大男が疲弊し、足をぐらつかせる。 その隙を突き、あなたは大男を蹴り飛ばしひっくり返した。 「ぐっは……」 すかさず、あなたはしりもちをついた大男に剣を突き付けた。 勝負はついた。 あなたは、降伏し刀を返す様に大男に促した。 「チッ……覚えてろよ」 大男は刀と鞘を脇に投げ捨てると、そそくさを路地の奥へと逃げていった。 「ま、まってくだせい~~!!」 広岡と争っていた二人の取り巻きも大男のあとを追い、路地の奥へと逃げていった。 「助太刀感謝する。これで皆の元へと戻れる」 そう広岡は感謝の言葉をあなたに伝える。 その後、刀を拾い上げ腰に差すと、彼はあなたに一つの提案を持ちかけてきた。 「あんたかなりの腕利きだな。そうだ! もしよければ俺の同士の話を聞いてほしい。悪いようにはしないからよ」 あなたが首をかしげると、広岡は声を潜め話を続けた。 「……まあ、こんなところでは話せない。だが、決して悪行を働こうってわけではないんだ。もし、俺たちを助けてくれるなら。夜ここに来てほしい」 そう話す広岡は真剣な表情だ。 決してあなたを騙そうとするものではないだろう。 あなたはこの誘いに乗らなくてもいいし、誘いを断ってもいい。 [誘いに乗る](71) [断る](81) 52 あなたが店を出ると、不思議なことについ先ほどまで、あれだけにぎやかだった人々の往来はなりを潜めていた。 ほどなく夜になるからだろうか、だからといってこの不気味な静寂は何事だろうか。 「今日は貴重なお話をしていただき感謝する。お礼といってはなんですが、おすすめの宿をご紹介しますよ」 そういって、茶屋の支払いを終えたチャカも店から出てくる。 「見ツケタゾ……! ミツケタゾ!」 突然、奇妙な音がこだました。 人の声ではない、何かが固い者が振動して生まれる機械的な声。 あなたはその異常を察し、すぐさま警戒を強くした。 [剣を抜く](62) 61 一瞬の隙を突かれ、あなたは凶刃に貫かれた。 「へ、へへ、いうほどでもねえじゃねぇか!」 そういって刀をふり血を払った大男の姿を最後にあなたの意識は落ちていった。 62 あらわれたのは羽織をまとい刀を持った人の骨たちであった。 「ミツケタゾ、ナオスケ! ナオスケェェェェ!!」 骨たちは刀を振りかぶり、チャカへと襲い掛かる。 あなたはその刀を受け止め、骨たちの間に割って入った! 攻撃を防ぎながら状況を確認する。 骨たちは三体。それぞれが刀を抜き、羽織をまとっている。 分類としてはスケルトンだろうか? だが、彼らはスケルトンにあるまじき、対人専用の剣術を使いこなしてくる。 つばぜり合いを押し返し、あなたは三体のスケルトンに戦いを挑んだ! ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→HPが0ではない全ての敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に全ての敵のHPを0にすること。 ※攻撃する場合、あなたは好きな敵を選び攻撃することができる。 ★特殊ルール あなたは右上のMAGICから「LIGHT-CROSS」を唱えることができた場合、この戦闘は勝利したことして扱う。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](72) [戦闘に敗北した場合](82) 71 もしかしたら、なにか重大な出来事に関わっているのかもしれない。 あなたはうなずき広岡の提案に了承の意を伝えた。 「おお、まことにかたじけない。では今晩この場所で」 そういうと広岡は大通りの人込みに紛れて消えてしまった。 あなたは広岡を見送ると近場の宿を取り、夜になるまで待つことにした。 [宿泊できるところを探そう](91) 72 あなたは骨たちを撃退することに成功した。 「ああ、助かりました」 刀を構えたチャカは不慣れな手つきで、慎重に刀を戻し、胸を撫でていた。 疑問がいくつも浮かび上がってきた。 先ほどの骨はチャカのことをナオスケといった。 この江戸で命を狙われなければいけないナオスケという諱(いみな)の者はただ一人。 「あらら、ばれてしまいましたか」 チャカこと――井伊直助はいたずらがばれた子供の様にカラカラと笑った。 [彼らは何者?](92) 81 「そうですかい。そいつは残念」 そういってこの話は終わりとばかりに、広岡は話題を変えた。 「ありがとうな、旅の方。あんたの旅も無事に終わるといいな」 笑う広岡の顔には何かの決意が見え隠れしたが、あなたはそれ以上のことを彼に尋ねることができなかった。 ――その後、江戸の散策を終えたあなたは、江戸を離れることにする。 そしてひと月の後、あなたは江戸が消滅したことを旅のウワサで聞くこととなる。 82 あなたは三体のスケルトンの連携の前に膝をついた。 「正義ハ我々にアルノダ、なぜおまえは悪事にカタンスル!! シネ」 問いに答える間も与えられず、あなたはわけのわからないまま、死を迎えた。 91 ――そうして夜。 「本当にいかれるんですか? 夜歩きはあまりオススメいたしませんよ」 宿屋を出る前に、あなたは店の主人に呼び止められた。 あなたが、何か問題があるのかと尋ねると、近頃、妖が現れると噂が流れており、商魂たくましい蕎麦屋の屋台すら夜は出ていないのだという。 あなたは心得たと宿屋の主人に言葉を返し、夜の街を歩き始めることにした。 しばらく歩いたが、店の店主が言うように夜の江戸は昼間の喧噪が嘘のように静まり返っている。 冬のように張り詰めた夜の空気の中、あなたは指定された場所に足を運んだ。 あなたが昼間大男たちと争った路地まで来るとそこには提灯をつるした広岡が待っていた。 「おお、来てくれたかい! そんじゃあ行こうぜ。こっちだ」 あなたは広岡の後を追い、人の少ない道を進んでいった。 [広岡についていく](93) 92 「羽織から見て、彼らはおそらく水戸藩の者でしょう。亡霊となっても私を狙うか……」 チャカこと井伊直弼は口調を改め状況を分析していった。 魔の存在を目の前にしても井伊直弼は冷静な表情であなたに言葉を投げた。 「ご存知だと思うが、私は独断で鎖国を解いた。そして水戸藩は天皇の意見を待たず事を進めた私を糾弾し、対立した。私はこう見えて、謀り事は得意でな。水戸藩を粛清し、奴らの気勢を削いだ。奴らはその亡霊だろう」 そう皮肉に笑う井伊直弼は、何かを見極めるようにあなたに視線を向けてきた。 「だが、まだ、私は死ねぬのだ。確かめねばならぬことがある」 そして、頭を下げた。 「密偵がいうのには、奴らは二日後私が江戸城に向かう時に襲撃する計画を立てているようなのだ。――虫のよい話だが、あなたのその剣の腕を見込み、護衛を頼まれてはくれないか?」 はたして、これ以上身の危険を冒し、この男に付き合うべきか、付き合わぬべきか。 [引き受ける](102) [断る](112) 93 しばらく歩くと一軒の長屋に到着した。 広岡はためらうことなく扉を開けると中にいる男たちに声をかけた。 「鉄之助さん、遅くなりました、すみません」 長屋の中には若者もいれば、ある程度、歳を重ねた風体の者もいる。 年齢も恰好もバラバラの16人だが、みなそろって一様に刀を携え、神妙な面持ちをしていた。 そのうちの広岡が『鉄之助さん』と声をかけた男があなたに体を向け、値踏みするような視線を送りつけてくる。 どうやら彼がこの集りのリーダーのようだ。 「広岡か。そちらが例の薩摩の脱藩者か?」 訳も分からず広岡を見ると、彼は小声で「そっちのほうが話が早いので」とあなたに答えた。 「私は関鉄之助。水戸藩に仕えていたものだ。昼間は広岡が助けてもらったようで礼を言う」 彼は深々と頭を下げた。 「我々は、大老井伊直弼を討つために集まった元水戸藩士だ」 彼はあなたに今の江戸の及び日本の状況を話し始めた。 幕府がペリーと条約を結んだ日を皮切りに日本は混乱した。 それは文化的なものではない。なんと各地で天変地異が起こり、人ならざる悪鬼が現れたという報告が相次いでいるというのだ。 すべての原因は独断で鎖国を解いた井伊直弼にあるという。 鉄之助がいうには、彼にも怪しい噂が上がっているというのだ。 「ヤツは魑魅魍魎を操り、その軍勢を持って天皇を討とうとしているのだ」 なんたることだろう。 日本の上位の権力者である井伊直弼が魑魅魍魎を操って日本のトップである天皇の命を狙っている。 まことにわかに信じがたい話だ。 だが、あなたは知っている。 あのサスケハナで起こった悪夢のような出来事を。 もしかしたらその後交渉にかかわった井伊直弼が何かしら魔に取りつかれてしまったのかもしれない。決して可能性は無いとはいえないだろう。 「我々はそれを阻止すべく――――」 しかし、その話の続きは『何者か達』によって止められてしまった。 突如、数百はあるだろう壁を叩く音が長屋のあちこちでなり始めたからだ。 [警戒する](101) 101 「おのれ、この場所も気づかれたか! 全員抜刀! 外に出て迎え撃つぞ!」 「応ッ!」 ただならぬ雰囲気を感じ、あなたも彼らの後を追って長屋の外へと出ることにした。 長屋の外にはゴブリンが壁を叩いていた。 ゴブリン程度ならばあなたは難なく退けられるだろうが、その数があまりに多すぎる。 50匹はいるだろうか。皆一様に背は低く、ボロの剣やこん棒などを持ち、敵意を持ってあなたたちに武器を向けてきた。 ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→HPが0ではない全ての敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に全ての敵のHPを0にすること。 ※攻撃する場合、あなたは好きな敵を選び攻撃することができる。 ★特殊ルール あなたは右上のMAGICから「EXPLOSION」を唱えることができた場合、この戦闘は勝利したことして扱う。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](111) [戦闘に敗北した場合](121) 102 あなたは彼の依頼を引き受けることにした。 「ありがたい。……くぅ!」 突然、井伊直弼の顔がゆがむ。 先ほどの戦いで腕をケガしたのだろうか? 彼は空いた手で二の腕のあたりを抑えている。 「気にするな。それよりも宿だったな。良い宿を紹介するぞ」 派閥の争いと比べればなんてことはないと付け加え、井伊直弼はあなたを宿屋へと案内した。 「明後日の昼、私は行列を組み江戸城へと向かう。貴殿には護衛としてその列に加わってもらいたい」 あなたは了承の意を伝えると、井伊直助は礼を言い、あなたたちは別れることになった。 [今日はもう休もう](122) 111 あなたたちはゴブリンの殲滅に成功した。 「広岡の言う通りお強い方だ」 鉄之助はあなたを見て、にかりと笑った。 あなたの戦いぶりを見て、いたく感心した様子だ。 「今はまだ夜だけにしかこのようなことは起こりません。しかし、このままでは江戸は魑魅魍魎に飲まれ、魔の巣窟と化してしまうでしょう。その前に、井伊直弼を討たねば……! ぜひお力を貸していただきたい」 魔物が現れるとなれば、サスケハナの事件同様なんらかの魔が絡んでいる可能性が高い。 あなたはうなずき、鉄之助たちに力を貸すことを約束をした。 [翌日](131) 112 「そうか……そなたでもなかった、ということか」 そういうと井伊直弼は少し肩を落とした。 あなたは首を傾げ不明の意を伝えると、井伊直弼は首を振った。 「すまない。こちらのことだ。そうだ、旅の人、約束通り宿屋を紹介しよう」 そうして、あなたは江戸の町の入口に近い宿屋街の一角で営まれている小さな宿屋を紹介された。 「旅の方、明日にはこの江戸を離れた方がいい。もしそれが無理ならば、明後日は宿からでないことをお勧めする」 そう言い残し、井伊直弼はあなたの前から姿を消した。 [二日後](242) 121 あなたはゴブリンの群れに飲み込まれた。 彼らはあなたの手足を押さえ、あなたの息の根が止まるまで執拗なまでに攻撃を続けた。 消えゆく視界、遠くから水戸藩士たちの叫び声が聞こえてくる。 最後に、抵抗しようと身をよじるが、首に刀を突きたてられあなたは絶命した。 122 一晩を過ごし、あなたは再び江戸の町へと繰り出した。 明日は井伊直弼の護衛を行う。 それまで準備を整えておこう。 [茶屋に入る](302 "f01") [万屋に立ち寄らない](332 "f02") [茶屋に入る(HP+20)](132 "!f01") [万屋に立ち寄る](142 "!f02") [準備は終わった](152) 131 明日は井伊直弼との対決だ。 魑魅魍魎を操り、魔を従える相手に失敗は許されない。 それまで準備を整えておこう。 [万屋に立ち寄る](151 "!f02") [茶屋に立ち寄る(HP+20)](141 "!f01") [決戦に向かう](161) [茶屋に立ち寄る](201 "f01") [万屋に立ち寄らない](221 "f02") 132 「いらっしゃい~」 立ち寄った茶屋はなかなかの賑わいだった。 あなたは空いた席に着き、人心地をついた。 すかさず注文を取りに来た元気そうな娘が注文を取りに来た。 「なになに、旅の人? うちの団子は絶品だよ」 娘に勧められるままに団子と茶を頼み、一口ほおばると上品な甘みが口の中を駆け巡り、何とも言えない至福感があなたを包む。 「おお、素敵な喰いっぷり! 100本はいける! 今すぐ買うのだ~」 さすがにそれだけ食べることはできなかったが、あなたはかなりの量を食べる羽目になった。 [戻る](122) 141 「いらっしゃい~」 立ち寄った茶屋はなかなかの賑わいだった。 あなたは空いた席に着き、人心地をついた。 すかさず注文を取りに来た元気そうな娘が注文を取りに来た。 「なになに、旅の人? うちの団子は絶品だよ」 娘に勧められるままに団子と茶を頼み、一口ほおばると上品な甘みが口の中を駆け巡り、何とも言えない至福感があなたを包む。 「おお、素敵な喰いっぷり! 100本はいける! 今すぐ買うのだ~」 さすがにそれだけ食べることはできなかったが、あなたはかなりの量を食べる羽目になった。 [戻る](131) 142 「……いらっしゃい」 あなたは目についた万屋に入ってみた。 怪しげな漢方や傷薬が並んでいる。 「これ、おすすめだよ。あぶった煙を吸うと気分がよくなるんだ」 阿片とかいた包み紙を進めてくる店員をやんわり躱しながら、あなたは―― [戻る](122) [傷薬を手に取った](312) [怪しい薬を手に取る](322) 151 「……いらっしゃい」 あなたは目についた万屋に入ってみた。 怪しげな漢方や傷薬が並んでいる。 「これ、おすすめだよ。あぶった煙を吸うと気分がよくなるんだ」 阿片とかいた包み紙を進めてくる店員をやんわり躱しながら、あなたは―― [戻る](131) [傷薬を買うことにした](211) [怪しい薬を手に取った](231) 152 ――そして後日、あなたは指示された屋敷の門までやってきた。 空を見上げれば、雪がちらついている。 空気が乾き、雪が体にあたるたびに冷たさが体を貫く、もしかしたら、さらに冷え込んでくるかもしれないだろう。 「来てくれたか」 屋敷の庭から、番傘を差した井伊直弼があなたを出迎えに来た。 「今日はよろしく頼む。さあ列に加わってくれ」 あなたは井伊直弼から行列の予定を聞き、彼の行列に加わることにした。 江戸へ向かう行列は行列は人数にして60人、2列となり、その列の長さは19丈程(57メートルほど)。 あなたは列の中央、井伊直弼が乗る籠の隣につき、行列とともに歩き出した。 「申し立て奉る!どうか、井伊直弼様に申し立てを!」 しかし出発して間もなく、何者かの大声が聞こえ、行列は一度進行を止めた。 行列の先頭で何かトラブルが起こったのだろうか。 [周りを警戒する](162) 161 翌日、その日がやってきた。 数日前から冷え込んでいた空気がより冷え込み、雪がちらつく。 それはまるで桜の花びらのようだ。 あなたは鉄之助が指示した配置に広岡と共につき、籠が城門から出てくるのを待っていた。 手筈では井伊直弼が籠に乗り、この桜田門から外に出てくるそうだ。 それを申し立てのテイで足を止めさせ、銃撃を合図に井伊直弼を襲撃、討ち取る計画になっていると、あなたは事前の打ち合わせで聞かされていた。 「来た……!」 隣の広岡のつぶやきにあなたは剣に手をかける。 見れば60もの護衛が行列を組み、籠が一つ桜田門から出てきたではないか。 行列を作る人物たちは皆深い笠を被り棒を持ち、腰に刀を携えている。 「申し立て奉る!どうか、井伊直弼様に申し立てを!」 離れたものにも聞こえるような大きな声で、仲間の浪人の一人が行列を引き留める。 その動きに呼応した行列の先頭は仕草で列を止め、浪人をどかそうと棒を構えた。 全員が行列を止めた浪人に注目している。 一瞬の隙。そして―― 「井伊直弼、覚悟!!」 パアンと乾いた銃声が江戸の町に響いた。 弾丸は籠を貫いた……だが、井伊直弼が仕留められたかは定かではない! 「突撃!! 敵は井伊直弼!! 水戸藩を陥れた仇を討つのだ!」 それぞれ身を隠していた水戸が姿を表し、刀を構え行列に突撃していく。 「俺たちもいきましょうぜ!」 広岡も刀を抜き行列に向けて駆け出していった。 [立ち向かう時だ](171) 162 異変はすぐに始まった。 「井伊直弼覚悟!」 パアンと乾いた銃声が響いた。 あなたが先頭に気を取られている隙を突き、すぐそばから狙撃が行われたのだ。 見れば弾丸は籠を貫いている。 「ぐ……」 籠からはうめき声が聞こえる。 どうやら井伊直弼は致命傷は避けたようだ。 だが、籠から降りて逃げないところを見ると、足にケガを負ったのかもしんれない。 「我こそは有村! 有村次左衛門なりぃぃいいい!! アーァァイヤー!!」 大音量の奇声と共に行列の護衛が吹き飛ばされていく。 初手の足止め、銃による奇襲、そして混乱を波及させるための突撃。 敵の執念が伝わってくるような綿密な計画。 「北辰一刀流あらため北辰四次元殺法の冴えをその身で味わぁぁぁえぇぇぇ!」 そして目の前の護衛が吹き飛ばされ、あなたの目の前に一回り大きな人骨が現れた。 人骨……いや、人の腕は二本のはずだ、だが、その人骨は四本の腕を有し、その手それぞれに刀、なぎなたを二本ずつ持っている。 あたりの水戸藩士の様子を見てもこれ以上の実力者はいないようだ。 おそらくこの人骨がこの襲撃の要。 こいつを倒せば、この襲撃は乗り切れるだろう。 あなたは剣を構えた。 ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→HPが0ではない全ての敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に敵のHPを0にすること。 ※攻撃する場合、あなたは好きな敵を選び攻撃することができる。 ★特殊ルール1 この戦闘は『スケルトン有村』のHPを0にすればあなたの勝利となる。 ★特殊ルール2 あなたは右上のMAGICから「LIGHT-CROSS」を唱えることができた場合、この戦闘は勝利したことして扱う。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](172) [戦闘に敗北した場合](182) 171 あなたたちの突撃に合わせて、護衛がことごとく笠を脱ぎ捨て正体を現した。 その姿は昨日に見たゴブリン、いや、それを一回り大きくした怪物、オーガではないか! 人ならざる物の登場に怯んだ元水戸藩士たちの動きが止まってしまう。 「おのれ、井伊直弼はやはり悪鬼亡霊を従える魔性であったか! 怯むな!! こいつらがのさばれば、天皇の地位さえ危うくなるのだ。我らの行いは正しいものである!!」 鉄之助の喝が飛び気を取り直した一同が構えを正す。 あなたは剣を引き抜いた。 ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→HPが0ではない全ての敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に全ての敵のHPを0にすること。 ※攻撃する場合、あなたは好きな敵を選び攻撃することができる。 ★特殊ルール あなたは右上のMAGICから「EXPLOSION」を唱えることができた場合、この戦闘は勝利したことして扱う。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [護衛を倒した場合](181) [護衛を倒せなかった場合](191) 172 「ば、ばかなぁあぁぁああ。この北辰一刀流の有村次左衛門がぁ!」 あなたの鋭い攻撃が有村と名乗る人骨を砕く。 見渡せば、水戸藩氏だったであろう人骨たちは殆どが地に伏し、またあなた以外の護衛も殆どが倒れている。 無事に井伊直弼を守りきることはできたが、その被害は尋常ではなかった。 「そうか、やはりおぬしか」 気がつけば井伊直弼が籠から降りあなたのそばに立っていた。 井伊直弼はあなたを見て安堵したような表情を浮かべた。 ケガをしたはずだ、それにこの状況で安堵の表情を浮かべる理由がわからない。 [ケガはないのか?](192) 181 行列を作り上げていたオーガたちはすべて地に伏した。 「よもや、あやつらを打ち払ってしまうとは」 籠の扉が開き、中から一人の男が現れた。 身なりの良い服装、能面のような無表情、背丈は中肉中背。 この場で、籠から出てくる人物は一人しかいない。 彼が井伊直弼だろう。 「井伊直弼! 覚悟!!」 広岡がすかさず刀を振りかぶる。 「おぬしは違う」 しかし井伊直弼が手刀を横に薙いだ。 次の瞬間、井伊直弼を中心に衝撃波が走り、旧水戸藩士たちはすべて骨と化し動かなくなってしまった。 何が起こったのか理解はできなかった。 だが、この相手に一瞬でも隙を見せてはいけない。 あなたは湧き上がる感情を押さえつけ、冷静を保った。 「そうか、おぬしか」 井伊直弼はあなたを見て安堵したような表情を浮かべた。 訳がわからない。 この男が魑魅魍魎を操り、この国を混沌に陥れようとしているのはもはや明確。 あなたは声を上げた。 [お前は何者だ!](192) 182 「アーァァイヤー!!」 奇声とともに振り下ろされた四連撃にあなたはなすすべもなく貫かれた。 この人骨たちは死してなお、井伊直弼を殺そうとしている。 いったい何がために……。 191 いくら奇襲が成功したとはいえ、圧倒的な数の前にあなたたちは押し返されてしまった。 一度流れが傾くと少数のあなたたちではどうすることもできない。 「う、うああああああ!?」 「や、やめろぉぉ、ああああ!」 「助け、助けて……!」 四方八方から広がる悲鳴、そして尽きていく命。 彼らの刃は井伊直弼に届かなかった。 そしてあなたの力も……。 「残念です。どうやらこの賭けは私の負けのようだ」 あなたが力尽きる直前、籠から一人の男が降りてきた。 その表情は至極残念そうであった。 その男が井伊直弼だと理解したと同時にあなたの意識は闇へと溶けて行った。 192 「なるほど、なるほど、実に見事。どうやらこれで賭けには勝てそうだ」 あなたの言葉を聞いているのか、聞いていないのか。 井伊直弼は値踏みするようにあなたを見つめ、満足したとばかりにうなずいた。 「開国を迫られる前からつどづど外の国からの接触があった。そしてその一つの品物に潜んだ鬼に、この身を蝕まれた」 井伊直弼が袖をまくると、それは人の腕ではなく、獣のような腕となっていた。 忌々しくその腕をにらみつけると井伊直弼は話を続けた。 「この身を蝕む鬼の名前は貪るものアメミット、その目的は鎖国の破壊、そしてその混乱に乗じたガッシュたち四魔将と呼ばれる魔をこの地に引き込み、その活動を助けるために江戸を破壊すること」 [どういうことだ?](202) 201 次こそ100本買わされそうなので、そっと離れることにした。 [戻る](131) 202 井伊直弼が腕を天に掲げる。 それをきっかけにあたりに転がっていた者たちが粉々にはじけ飛び、その破片が異形の腕に吸収されていく。 その勢いはまるで有象無象を食らいつくさんが如く。周囲の『者』だったモノすべてが井伊直弼の腕に集まり、腕を掲げている井伊直弼さえも飲み込まんとばかりに膨れ上がっていく。 それに呼応するように彼から寒気にも似た魔の気配が膨れ上がり、井伊直弼は苦悶の表情を浮かべた。 「ぐ……そうして、私が知ったのはこの地に強大な魔が封じられていること。理解したのだ。もはや日の本の力のみだけではその魔には対抗できぬ。だから私は、私自らの意思で鎖国を解いた。外の世界からこの地に巣食う魔を払う風を入れるため」 異常に膨れ上がった腕を携え、徐々に体が作り変えられていく痛みに耐えながら、井伊直弼は叫んだ。 「だからこれは、賭けなのだ! この命は桜のごとく散りゆく定めなれど、私を散らす新たな風はやがてこの国に根づく魔を払う。そう信じている」 この男は、この時のために耐えてきたのだ。 己の身を貪る魔があふれた時に、己を滅ぼすものが現れるまで。 あなたは直感的にそれを理解した。 「さあ! お前が! 私が入れた新たな風が!! それにふさわしいか見せてもらおうか!!」 井伊直弼が吼えると同時に彼の体が変貌を始める。 強烈な突風があなたを襲い、邪悪の気配が強まっていく。 「託したぞお前に……! お前にぃい、うおおおおおおおお」 振り続ける雪が突風に乗り一度浮かびあがる。それはまるで風に踊る桜のように。 [いくぞ!](212) 211 「ほいー、毎度ありー」 けだるげな店員に金を支払いあなたは『傷薬』を3つ手に入れた。 ※傷薬※ 使用するとHPが15回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+15する。その後アイテム欄から除外される。 [戻る](131) 212 そして、井伊直助であったそれは腕から膨張した肉に取り込まれ、変質した。 そこには巨大な異形が一つ。 頭はワニ、上半身が獅子、下半身はカバ。 それぞれ組み合わさるべく無きものが繋がり、吐き気を催す醜悪。 その名を『貪るものアメミット』。 これまで戦ってきたものにはない強烈な圧力があなたを襲う。 だが、逃げるわけにはいかない。 ――この想いからは逃げるわけにはいかない! ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→HPが0ではない全ての敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に全ての敵のHPを0にすること。 ※攻撃する場合、あなたは好きな敵を選び攻撃することができる。 ★特殊ルール あなたは攻撃(敵のHPをクリックする)を行う代わりに右上のMAGICから魔法を使用してもよい。 その場合の効果は各魔法の説明に準ずる。 魔法の効果を適応したその後は敵の攻撃となる。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](222) [戦闘に敗北した場合](232) 221 あの店はちょっと怖い。 何度も立ち寄るのはよしておこう。 [戻る](131) 222 「グ、グアアアアアアアアアアア!?」 あなたの一撃が深く刺さり、アメミットは苦悶の叫び声をあげた。 それはすべてを呪う叫び、すべてを忌む命の叫び。 だが、あなたには届かない。 託された想いを胸にあなたはもう一歩深く剣を突き立てる! 「だが、これで終わりと思うな! ソーサリアンよ! ガッシュ様たちがこの地に眠るあの方を―――グアアアアアアアアアアア!!」 その言葉を言い切る前にアメミットは砕け散り、溶けるように宙に消えて行った。 [剣を収める](292) 231 「ほいー、毎度ありー」 けだるげな店員に金を支払いあなたは傷薬を三つ手に入れた。 いや、一つ品質の良いものが混ざっていたようだ。 『良い傷薬』も手に入れた。 ※傷薬※ 使用するとHPが15回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+15する。その後アイテム欄から除外される。 ※良い傷薬※ 使用するとHPが40回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+40する、その後アイテム欄から除外される。 [戻る](131) 232 アメミットの猛攻をしのぎ切れずあなたは膝をついた。 もはや立ち上がる力も残っていない。 「人も、魔物も、町も、光も、すべてを貪り、この地を大獄とし、主がよみがえる最高の舞台としようではないか。さあ、光は潰えた……! お前も私の一部となるがよい」 悪魔が腕を振るう。 衝撃があなたの全身を襲い、腕が、足が、胴が、すべてが砕かれていく。 ついには耐え切れず、あなたは地に伏した。 諦められぬ。 そう顔を上げたあなたが見たものは、己を食らいつくさんとする悪魔の頭であった。 242 そして、二日後。空に雪が降り始めた。 そして、獣の咆哮のような、轟音が江戸中に響き渡り、何事かと江戸の人々は声の主を探し、桜田門の方を向いた。 そこには、江戸のどの建物よりも大きな桜の木が生えていた。 いや違う。それは木のように見えて、全く異なるものだ。 根はカバのようにどしりと地をはいずり、体は毛の伸びすぎた獅子のごとく、頭は何者でも呑み込めるであろう巨大なワニのような頭している。 それは近づくもの、近づいたもの、そのすべてを砕き取込み、成長した悪魔の姿であった。 まるで、いびつなアートだ。 その『樹』を見た誰しもが発狂し、叫び、逃げ出した。 最悪の事態が起こってしまった。 幸い井伊直弼が紹介した宿屋はあの悪魔からは遠い場所にある。 今なら逃げ出すことも可能だろう。 [立ち向かう](252) [逃げ出す](262) 252 あなたはその『樹』に立ち向かうことにした。 このまま放置しておけば江戸はおろか、日本全土が滅ぼされてしまうかもしれない。 そんな予感に追い立てられ、あなたは桜田門に向け走った。 ――そうして、『樹』の根元にたどりついた。 樹そのものは血管が通っているのか脈動し、自身が植物ではなく生物に近いものだとアピールしてくる。 攻撃の頻度が少ない。どうやら根本まで来たため、相手はこちらに対応し難いようだ。 この隙に、なんとしてでもこの樹を滅ぼさなければ! ※戦闘処理を行います。あなたはこの結果を順守してもいいし、順守しなくてもいい※ 勝利条件 右側のBattleSheetを開き、ダイスロール→敵のHP→ダイスロール→敵の攻撃(青色のボタン)を繰り返しクリックし、あなたのHPが0になる前に敵のHPを0にすること。 ★特殊ルール あなたは攻撃(敵のHPをクリックする)を行う代わりに右上のMAGICから魔法を使用してもよい。 その場合の効果は各魔法の説明に準ずる。 魔法の効果を適応したその後は敵の攻撃となる。 勝利条件を満たした場合は『戦闘に勝利した場合』を、 また先にあなたのHPが0になった場合は『戦闘に敗北した場合』に進むこと。 [戦闘に勝利した場合](272) [戦闘に敗北した場合](282) 262 あなたは逃げ出しだ。 それは決して間違えではなかった。 天に浮かぶ雲まで届かんとするその悪魔の樹は一振りその腕を薙ぎ払うと江戸の町を半壊させた。 そんな化け物に勝てる手立てなどない。 正しい判断だ。 あなたはそう言い聞かせ、命からがら江戸から離れて行った。 その後、あなたはこの地で何が起こっているとも知ることはできず、この旅を終えるのであった。 272 あなたはその持てるすべての力を使い、悪魔の樹を討ち滅ぼした! だが、それは文字通り、あなたのすべての力であった。 あなたはもう立ち上がることさえできない。 だが、背中から倒れ、あなたの視界に映るのは 何もない荒野と化した江戸の姿であった。 282 その一撃であなたは死んだ。 体がばらばらに砕かれていく。 ああ、なんということだろう。 あなたはその悪魔の樹に取込まれてしまったのであった。 ―――そして悪魔の樹の一部として、その命をささげ続けることであろう。 292 あなたは人が集まる前に、江戸を立ち去ることにした 井伊直弼はあなたを新たな風なのだと希望を託した。 そう、彼は魔にむしばまれてなお、国を守る使命に殉じたのだ。 この地にやってきた四つの魔。 そしてこの地に眠るとされる魔。 雪が降り続けている。 まるで何かの秘密を覆い隠さんと言わんばかりに。 あなたは知らなければならない。 歩みを止めてはならない。 ――あなたの旅はまだ終わらない。 302 次こそ100本買わされそうなので、そっと離れることにした。 [戻る](122) 312 「ほいー、毎度ありー」 けだるげな店員に金を支払いあなたは『傷薬』を3つ手に入れた。 ※傷薬※ 使用するとHPが15回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+15する。その後アイテム欄から除外される。 [戻る](122) 322 「ほいー、毎度ありー」 けだるげな店員に金を支払いあなたは傷薬を三つ手に入れた。 いや、一つ品質の良いものが混ざっていたようだ。 『良い傷薬』も手に入れた。 ※傷薬※ 使用するとHPが15回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+15する。その後アイテム欄から除外される。 ※良い傷薬※ 使用するとHPが40回復する薬。画面上記のステータスを開き、アイテムボタンから選択し使用することでHPを+40する、その後アイテム欄から除外される。 [戻る](122) 332 あの店はちょっと怖い。 何度も立ち寄るのはよしておこう。 [戻る](122) 999 **幕末ソーサリアンのステータス強化ルール** **ステータスの強化ポイントについて** 「幕末シナリオ1本の実績取得率10%ごと」に 「対象のパラメータ1つ」を+1強化することができる ※幕末シナリオ1本につき、パラメータを合計+10強化可能 ※強化ポイントを割り振ることのできるパラメータは、 「STR、INT、DEX、KRM」の4項目のみ ※割り振り例)幕末シナリオAの実績取得率100%の場合、 STR+5、INT+1、DEX+3、KRM+1 幕末シナリオBの実績取得率50%の場合、 STR+1、INT+1、DEX+2、KRM+1 **ステータスを強化できるタイミング** 「次にプレイする幕末シナリオを開始してScene 1を開いている間」のみ **強化ポイントの振り直しができるタイミング** 幕末シナリオの最終章をhappyでクリアすると、 これまでの強化ポイントを振り直すことができる ※ただし、「最終章をhappyでクリアする毎に1度だけ」