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Presented By SORCERIAN Next team.
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2017-2020, SORCERIAN Next Team
0 嘉永6年のペリー来航以来、日本国内は攘夷か開国かで真っ二つに割れた。200年来鎖国を維持していた江戸幕府であったが、財政は火の車、農民一揆が相次ぎ、各地の外様大名からの反感が高まり、黒船の威容を目の前にして、諸外国との同盟を考える者も少なくなかった。 そんななか、最後まで攘夷の意を譲らなかったのが、ときの孝明天皇である。天保2年に仁孝天皇の第四皇子として生まれた煕宮は、弘化3年に践祚して以来、一貫して強い攘夷思想を持っていた。しかしその思想は幕末の嵐の中で思うようには結実しなかった。孝明天皇は、井伊直弼の流れを汲む老中安藤信正や、公武合体を信条とする侍従岩倉具視の献策に従い、妹和宮を徳川家茂と婚姻させることにした。しかしこの政策は攘夷派を刺激し、1862年、岩倉は失脚した。尊王攘夷運動の急進派による「天誅」という名のテロリズムが吹き荒れ、参預会議、一会桑政権、四侯会議、公議政体派といった様々な派閥が結集解散を繰り返す中で、孝明天皇の権威は低下していった。 通商条約を固辞していた孝明天皇だが、慶応元年、諸外国の大艦隊が大坂湾に集結するのを見て条約の勅許を出さざるを得なくなる。 慶応2年7月20日に将軍家茂が死去。田安亀之助を後継として遺言していたが、それは果たされず、徳川慶喜が第15代将軍に就任する。慶喜はかつて孝明天皇の信頼のもと公武合体を企図していたが、将軍就任時には開国論者に変貌していた。 そのような緊迫した情勢の中、孝明天皇には命の危険が迫っていた……。 [これまでのあらすじ](1) 1 これまでのあらすじ 序:黒船来航 幕末の世、日本に開国を迫るアメリカのやり方に"魔"の暗躍を感じ取ったペンタウァの魔法使いエティスの命により、ソーサリアンは蒸気外輪フリゲート艦<サスケハナ>に副官として潜入する。 『艦長のペリーが<黒真珠>を手にしてから人が変わった』。 船員に聴き込みを行う中でそんな気がかりな話も聞きながら、順調に調査を進めるソーサリアン。 だが、突如戦いに巻き込まれ、苦戦の末に<サスケハナ>ごと敵に呑み込まれてしまう……。 意識を取り戻したソーサリアンは、己の状況を一つ一つ把握する。 そして探索の準備を整えると、おぞましいダンジョンの中を魔法を駆使して進んでゆくのだった。 ダンジョンの終わり。そこには悪夢のような情景が広がっていた。 ソーサリアンは再び異形と戦い、とうとう決着がついたかに見えたが、そうではなかった。 これこそが、長きに亘る本当の戦いの始まりであったのだ。 その後、何事もなかったように元の姿を取り戻した<サスケハナ>に乗ったソーサリアンは、とうとう日本に上陸を果たすのであった。 弐:桜田門外の変 安政7年。 黒船にまぎれて日本に上陸したソーサリアンが江戸の町を散策していると、刀を盗まれた侍と出会った。 侍は名を『広岡子之次郎』といい、刀の奪回を手助けしたことが切っ掛けとなり、彼が属する組織の集会場に招かれる。 一同に集まった彼らは、水戸藩の元藩士たちであった。 開国により日本を混乱に陥れた主因である『井伊直弼』を討つべくして集まった彼らの話を聞き、井伊と"魔"の関連性を感じたソーサリアンは、彼らの計画に加わることを決意する。 雪が降り積もった桜田門の外。 そこで元水戸藩藩士たちとソーサリアンによる『ある計画』は実行に移された。 だがしかし……。 事の真相を知り、日本の行く末を託されたソーサリアンは、強大な"魔"と対峙するが、苦戦を強いられながら辛くも撃退に成功する。 日本に呼び込まれ暗躍する"魔"と、封じられた"魔"の存在。 問題を解決するまでソーサリアンの旅は続く。 参:京都動乱 元治元年。 『桜田門外の変』以後も日本各地を旅していたソーサリアンは、とうとう上洛を果たした。 ソーサリアンが京の町で聞き込みを続けていると、『不穏な事件の噂』を耳にする。 その日の夜、とある人物の指示で酒をしこたま呑んだソーサリアンは、最悪な状態のまま任務を遂行する羽目になる。 それでも何とか任務を成功させたソーサリアンは、そのまま睡魔に身をゆだねるのであった。 翌々日にソーサリアンが泊まる宿の一室に来客があり、一通り話を終えた後、今後の京での活動について問われた。 その問いにソーサリアンの答えは……。 元治元年7月。尊王攘夷派の長州藩が京の町に攻め入った。 ソーサリアンは、御所に強大な"魔"の気配が現れたことを知り、京都御所のある禁門(蛤御門)へと急行した。 そうして御所へと辿り着いたソーサリアンは、想像も及ばなかった衝撃の真実を知り、驚愕する。 ソーサリアンが"魔"を撃退してから暫くし、長州藩により起された戦は終わった。 京の町の復興を手伝うソーサリアンは、この地に潜む"魔"との戦いを見据え、引き続き京で活動することを決意する。 幕末ソーサリアンのステータス強化ルール(簡易版) ①次にプレイする幕末シナリオを開始してScene 1を開いている間のみ、 幕末ソーサリアンシナリオの実積率に応じてステータスを強化できます。 ②強化ルールの詳細は、BattleSheetを開いてご確認ください。 ### 現在の実積率 + 序:${result_rate?baku01} % + 弐:${result_rate?baku02} % + 参:${result_rate?baku03} % + 肆:${result_rate?baku04} % + 伍:${result_rate?baku05} % + 陸:${result_rate?baku06} % [某所で……](67) 2 天皇を護衛する衛視の中に裏切り者が紛れ込んでいたのだ。 だが、それに君は気づくことができなかった。 そんな君に、大いなる魔を退けることなどできようはずがない。 君の冒険はここで終わる…… 3 君は孝明天皇の病気を診ると偽って拝謁を頼み込む。 伊良子光順は不信感を拭えない様子だったが、天皇に取り次いでくれた。 [拝謁する](12) 4 君は典薬寮に出かけた。 典医を務める伊良子光順(いらこみつおさ)は40代半ばの医師で、10年以上前から孝明天皇に仕えているという。 「陛下は長年、痔に悩まされておってな。もちろんそれはお命に関わるような病ではない。だが、今日はお熱が出ているようだ」 病気か。 曲者の襲撃から守ることはできても、病魔を打ち払うことが君にできるだろうか? [天皇に拝謁を願う](45) [やめておく](31) 5 君は面会の申し出を断った。どこの馬の骨とも知らぬ相手に関わっている場合ではない。 さて、孝明天皇の周りを調査しなくては。 [天皇の関係者を調べる](69) [天皇の容態を探る](43) 6 君の答えに二人は溜息をつく。 「やはりそうか……だが、諦めるわけにはゆかぬ。こうなれば典薬寮の医師をすべて招集してでも陛下のお体を守るしかない」 そう言って二人は君を追い出した。これ以上部外者の出る幕はなさそうだ。 [数日後](38) 7 君は孝明天皇にHEALを唱えた。 これで天皇の体力は回復するだろう。 しかし、天皇は不機嫌なようだ。 「面妖な術を使う異人よ。だが、これ以上の狼藉は無用。とくと去れ」 君は慌てて退散する。魔法が効いたのかどうかは判然としない。 [数日後](38) 8 ここは日本で最も警備の厳重な場所だ。 まごまごしているうちに、君はあっさり見つかり、捕らえられた。 「さては陛下を弑そうとする刺客か!」 冗談じゃない。自分は天皇を守るためにやってきたのに。 だが、君の言い訳は通用しなかった。君の冒険はここで終わる…… 9 君は天皇に拝謁を願い出る。だが、宮廷の官吏に断られる。一介の阿蘭陀人が天皇陛下に会わせてもらえるはずもない。 [今日はもう休む](31) [忍び込む](35) 10 君の答えに二人は神妙に頷く。 「俄に信じ難き話だが……」 「だが、此度の陛下の容態はただの病とは考えづらいのも事実」 伊良子光順は腕を組んだまましばし黙考する。 「しかし困った。毒の種類がわからねば対処ができぬ」 [孝明天皇に拝謁願う](53) [何もできない](11) 11 君の答えに二人は溜息をつく。 「異人殿でもわからぬか。こうなれば典薬寮の医師をすべて招集してでも陛下のお体を守るしかない」 そう言って二人は君を追い出した。これ以上部外者の出る幕はなさそうだ。 [数日後](38) 12 君は天皇の寝所へと入った。 そこは意外にも質素な和室だった。これまで幕府や商人の屋敷で何度も豪華な居室を見慣れている君にとっては拍子抜けするほどだ。 畳に敷かれた薄い布団の上に、一人の男が横たわっている。 歳の頃は30代。長髪は枕に垂らしたままだ。 男は君に向かって振り向くと、力無げに微笑んだ。 「……異人か。さても珍妙な面持ちかな」 [挨拶をする](74) [寝所を見回す](28) 13 君は孝明天皇の体に触れようと一歩近づく。すると次の瞬間、襖が開き、君はたちまち衛視たちに囲まれる。 「なんと不敬な……!」 言い訳する間もなく君は捕らえられ、すぐに処刑場へと連れて行かれた…… 14 君は全身全霊の力を込めて古代イスマリア王妃を討ち果たした。 「く……バカな……妾の力を上回るだと……?」 だが、王妃はますます不気味な笑みを浮かべる。 「だが、無駄だ。この地に魔が蘇ることは避けられぬ……」 そう言い残して王妃の姿はかき消すようになくなった。 君は慌てて孝明天皇に駆け寄った。 ……既に息がない。 一体どうして……? 「陛下、陛下……!」 異変を聞きつけた衛視たちが次々と寝所になだれ込んでくる。 君は直ちに捕らえられ、釈明する間もなく処刑された…… 15 岩倉は満足げに頷いた。 「そなたのことは、阿蘭陀(オランダ)から来た商人と紹介しておこう。また、陛下に宛てた手紙も用意しておいた。くれぐれもよろしく頼んだぞ」 [「わかりました」](60) [「いやです」](77) 16 君には確信があった。孝明天皇につきっきりで世話のできる人物。そして君をはじめとして部外者をも天皇に目合わせることのできる人物。それは伊良子光順を置いて他にない。 だが、そんな君の慧眼など、この御所ではなんの意味もない。 君の訴えに耳を貸す者は京都御所にはいない。君はたちまち捕らえられ、刑場に連れて行かれた…… 17 ……と思ったが、泥棒の血が騒いでしまった。 君はこっそり孝明天皇の寝所に忍び込む。 天皇の寝所は意外なほどに質素な作りだった。床の間に敷かれた布団の上で、天皇は苦しげに眠っている。周囲には大小様々な葛籠が積み重なっていた。見舞いの品だろうか、花や果物のたぐいも置かれている。そしてひときわ目立つのは、枕元に置かれた一つの地球儀だった。 とはいえ、ここで盗みを働くわけにはいかない。取り敢えず今日は退散しよう。 [翌朝](70) 18 それから数日後、一度は持ち直した孝明天皇は、再び高熱に倒れた。 典薬寮の医師たちは天皇に痘瘡の診断を下した。当時の医療水準では特効薬もワクチンもなく、ただ天皇の自己回復力に賭けるしか方法がなかった。 そして慶応2年12月25日。孝明天皇は崩御した。 享年満35歳。幕末最後の天皇として、生涯京都御所を離れることなく、その生涯を閉じた。 あとを継いだ明治天皇の即位式には、かの徳川斉昭が孝明天皇に寄贈したという地球儀も使われていたという。 では、ソーサリアンの砕いたあの地球儀は一体何だったのか。 [……](71) 19 慶応2年12月25日。 千々に乱れる朝廷と幕府の思惑に翻弄され、祖先の血の重さをその双肩に感じながら幕末の波乱を生き抜いた孝明天皇だが、この日、満35歳の生涯を閉じた。 その死因については諸説あるが、現在では天然痘によるとされている。 では本編でその命を奪ったのは果たして誰だったのか……? [いずれでもない](57) [岩倉具視](24) [伊良子光順](16) [高階父子](63) [衛視の一人](2) [ソーサリアン](56) 20 呼び出したのは伊良子光順だ。隣にはもうひとり、若い男がいる。 「陛下のお熱が下がらない。昨日はわざわざ経由殿が投薬したというのに」 「ええ、父の煎じた薬湯に狂いはないはずです。よもや……」 光順の隣の男は高階経徳(たかしなつねのり)と名乗った。二人が話題にしていたのは彼の父、孝明天皇の主治医格である高階経由のことらしい。 「異人殿、なにか心当たりはござらぬか?」 [「何者かの呪いでは」](61) [「毒を盛られたのでは」](10) [「悪霊に取り憑かれたのでは」](25) [「不治の病では」](6) [「わからない……」](11) [地球儀について聞く](58 "f05") 21 君は孝明天皇の着ている服に手を伸ばした。 だが、その手は虚しく空を切る。 「……何をしておる」 孝明天皇が不審な目を向ける。 君は、一礼して退室した。 [数日後](38) 22 君は慌てて天皇の寝所から退散した。 そのまま屋敷を出て自分の宿場に戻る。 既に夜は更けている。これ以上の隠密行動は難しそうだ。 [翌朝](70) 23 君は首を縦に振った。 「やはりか。では主君に変わって忠告申し上げる。岩倉殿には注意めされよ。彼は我が主君と志を等しくする仲間ではあるが、最近様子がおかしいのだ。南蛮をはじめ各地の得体のしれぬ古文書を買い漁り、夜な夜なあやかしの儀式に執心されていると聞く。何か心当たりがあれば、くれぐれも用心することだ」 どうやら朝廷も一枚岩ではないらしい。しかし、使者の言が事実であれば、岩倉具視の動きも気になるところだ。 君が頷くと、使者は帰っていった。 [数日後](38) 24 そうだ。岩倉具視。君をここに遣わした彼こそが黒幕だったのだ。 君はさっそくその事実を衛視たちに訴える。 「岩倉具視殿が……バカな」 「だが、たしかに岩倉殿は近年陛下と軋轢がおありだし呪術にも明るいと聞く」 だが、合点していた様子の衛視たちの顔つきが次第に険しくなってゆく。 「……となると」 「異人殿、そなたも岩倉殿の手先ということになるな……!」 たちまち君は捕らえられてしまった。 問答無用で刑場に引きずり出され、君の冒険は終わった…… 25 君の答えに二人は驚きの声を上げる。 「悪霊だと?何を世迷い言を」 「いや、それはありうる。陛下のご様子は普通の病とは異なるようだ」 「どうすればいい……そうだ。安倍晴明殿をお招きしては」 「いや、晴明殿は江戸におられる。今からでは……」 顔を見合わせ、二人は同時に君の方を向く。 「もしや、異人殿。そなたは悪魔祓いが、できる、とか……?」 [できるわけない](78) [「私は悪魔祓いだ」](47 "xあくまばらい") 26 君は岩倉具視の依頼を断った。だいたい、孝明天皇を公然と批判していた岩倉がいまさらその生命を案ずるのは不自然だ。 「まあ、そなたがそう申すのも無理はない。それがしと陛下との関係は一言では言い表わせぬ。ただ、これだけは言っておこう。それがしはただ、この国の未来を案じている。そしてそれは、そーさりあん殿の懸念とも通じているはずだ。そうではないかね?」 そこまで言われては断れない。 [わかりました](15) 27 孝明天皇は警戒の面持ちで君を見つめる。 君は、寝所の何かに手を伸ばす。 さて、何を標的にするか? [孝明天皇の体](13) [孝明天皇の服](21) [孝明天皇の布団](51) [部屋の一角](29) [地球儀](68 "f09") 28 寝所のつくりは他の部屋とさして変わりはない。ただ、見舞いの品なのか、床から天井近くまで大小様々な葛籠が積み重なっている。花や果物のたぐいも置かれている。そしてひときわ目立つのは、枕元に置かれた一つの地球儀だった。 [天皇に挨拶する](74) [直ちに引き下がる](22) 29 君は部屋の一角に手を伸ばした。 だが、その手は虚しく空を切る。 「……何をしておる」 孝明天皇が不審な目を向ける。 君は、一礼して退室した。 [数日後](38) 30 黒真珠は、粉々に砕け散った。 一瞬、一条の光がそれから放たれたような気がする。 あたりに静謐が戻る。 「一体、何が……」 孝明天皇は呆然としたまま君の目の前の空間を見つめていた。 [引き上げる](18) 31 君はそのまま宿舎に戻り、就寝した。 今は気力を蓄えておこう。 **好きな七惑星の欠片を合計7つまで増やしてください。** [翌朝](70) [潜入する](17 "xどろぼう") 32 君はなんとか自分の職業知識を総動員して天皇を救おうと試みる。 しかし、痘瘡はペンタウァでも未だ克服されていない難病だ。 呪いや魔法攻撃なら、七星魔法でなんとかなるかもしれない。だが、病気を克服できる魔法はない。 「異人殿、お心遣いは有り難いが、ここは典薬寮の面々に任せていただこうか」 伊良子光順の言葉に君は力なく頷いた。 [そして……](19) 33 君は、宮中で孝明天皇の今日の動静を聞く。 すると、天皇は熱があるにも関わらず神事に参列したらしい。御所に帰ってきてからは、自室に臥せっているようだ。 [天皇に拝謁を願う](9) [やめておく](31) 34 いかに悪魔祓いといえども、神具も持たずに古代の女帝に挑むのは無謀だったようだ。残念ながら君は力尽きた…… 35 君は大胆不敵にも天皇の寝所に忍び込もうとする。 夜も更け、警備の衛視飲めをかいくぐり、御所の奥へと進む。 だが、寝所の手前で納戸に道を塞がれる。どうやら防犯のため急ごしらえでしつらえたもののようだ。当然、鍵がかかっている。 [解錠を試みる](37 "xかぎや") [結果は……](8) 36 君は首を横に振る。残念ながら薬は持っていないのだ。 「何を申すか……?」 孝明天皇は流石に戸惑っているようだ。 「ならば去ね」 君は早々に追い出された。 [退室する](22) 37 君は周囲に注意を凝らしながら急いで鍵を調べる。 南蛮製の錠前のようだが、君の手にかかればお茶の子だ。 鍵を開けるとすぐ奥に襖がある。 [天皇の寝所に入る](12) 38 12月16日。 主治医格である高階経由が診察した結果、驚くべき事実が判明した。 孝明天皇は痘瘡に罹患している可能性があるというのだ。 痘瘡は極めて伝染性の強い感染症である。一度流行すれば数千の命を奪う。ペンタウァでも過去に何度も猛威を振るった記録がある。日本では千年前から報告があり、その都度数多の医師が身を粉にして治療にあたってきたが、確たる治療法はまだ開発されていない。 もはや君にはなすすべがなかった。 [なすすべがない](19) [医者の名にかけて](32 "xいしゃ") [看護婦の名にかけて](32 "xかんごふ") [薬剤師の名にかけて](32 "xやくざいし") [薬草採りの名にかけて](32 "xやくそうとり") 39 「待て待て、わざわざ来ておいてもう帰るとは何事ぞ」 [不承不承話を聞く](72) 40 君は孝明天皇に対し、命の危険が迫っていると率直に述べる。 すると、孝明天皇の瞳にらんらんとした光が灯る。 「ほう……では、さしずめそなたが朕の命を狙う刺客か」 そして天皇が手を叩くと、手前の襖が開き、衛視たちがなだれ込んでくる。 君は抵抗する間もなく捕らえられてしまった…… 41 岩倉具視(いわくらともみ)は、朝廷の公卿の一人である。公家としては下級であるが、かつては孝明天皇の勅使を務めたこともある。その政治思想は公武合体、つまり天皇と朝廷の伝統的権威によって幕藩体制を立て直そうというものであった。しかし、尊皇攘夷運動の高まりの中、将来的には米国と同盟を結ぶことをも否定しなかった岩倉は疎まれ、熱烈な攘夷論者である孝明天皇にも見限られ、蟄居を言い渡されてしまう。 だが、その程度で情熱を絶やす岩倉ではない。岩倉は洛北の岩倉村に身を寄せつつ、朝廷や薩摩藩の諸氏に意見書を送るなどの政治活動を続けていた。いつしか岩倉は孝明天皇に見切りをつけ、公武合体派から倒幕派に鞍替えし、天皇に対し天下に謝罪しろと公然と批判するほどの気炎を上げていた。 その岩倉が、屋敷に君を呼び出したのである。 [岩倉と話す](66) 42 君は首を振った。 さすがの孝明天皇も、驚きのあまり言葉を失う。 「異人殿!」 後ろで控える伊良子光順が悲鳴に近い声を上げた。 「嫌と申すか。ならばとく去れ」 君はあっさりと追い出される。 その後、なすすべもなく君は蟄居を余儀なくされた。 [数日後](38) 43 君は典薬寮に赴き、典医を務める伊良子光順(いらこみつおさ)から天皇の容態を聞いてみた。 天皇は昨日から発熱しており、調子が今ひとつ優れぬようだ。 伊良子は典薬寮の医師たちを結集して診療に当たるらしい。 君の出る幕はないようだ。 [数日後](38) 44 「異人殿。ご面会の方がお見えです」 誰だろう。使いの者に尋ねるが、相手は名乗らないという。 [面会を受ける](46) [断る](5) 45 君は孝明天皇への拝謁を願い出る。 「異人どのが何のために?陛下はお加減が優れぬと申したであろう」 伊良子光順は訝しげだ。 [「私は医者だ」](3 "xいしゃ") [「私は看護師だ」](3 "xかんごふ") [「私は薬草採りだ」](3 "xやくそうとり") [「私は薬剤師だ」](3 "xやくざいし") [諦める](31) 46 面会の相手は、中山忠能(なかやまただやす)の使いと名乗った。 中山忠能とは、公家の一人である。孝明天皇と折り合いの悪かった長州藩を支持したため、天皇の逆鱗に触れ、蟄居を申し渡されていたのだ。 「異人殿。お初にお目にかかる。貴殿は岩倉具視殿の用命にて馳せ参じたと聞いたが、それは真か?」 [「そうです」](23) [「違います」](52) 47 君は自信満々に答える。 「これは頼もしい!是非陛下を頼みますぞ」 伊良子光順に乞われて、君は孝明天皇に拝謁することになった。 [天皇の寝所に向かう](50) 48 君は咄嗟に鞄の中から常備薬を取り出した。 「ふむ……確かに、見たことのない薬だな。さぞかしよく効くのであろう。貰い受けるとする」 孝明天皇は薬瓶を受け取ると、ぞんざいに枕元に置いた。 「では、下がってよい」 [退室する](22) [天皇に近づく](13) 49 君は自信ありげに頷いた。 「為政者が鬼神の類を語ることはない。そなたが本当に悪霊を祓うというなら、朕の前に示してみせよ」 孝明天皇はあくまでも厳粛に言い放った。 君は天皇の前に立ち、悪霊退散の祝詞を唱え始める。 [すると……](65) 50 君は天皇の寝所へと入った。 とても質素な和室だ。畳に敷かれた薄い布団の上で正座して待っている男性こそ、孝明天皇その人である。 「そなたが朕を助けると申すか」 かなり憔悴しているようだが、その言葉にはまだ余人を寄せつけぬ力がこもっている。 [「悪魔祓いをいたします」](49 "xあくまばらい") [「嫌です」](42) [CUREを唱える](62 "mCURE") [UN-CURSEを唱える](75 "mUN-CURCE") [HEALを唱える](7 "mHEAL") [GIVE-VIGORを唱える](73 "mGIVE-VIGOR") [「左様にございます」](27) 51 君は孝明天皇の寝ている布団に手を伸ばした。 だが、その手は虚しく空を切る。 「……何をしておる」 孝明天皇が不審な目を向ける。 君は、一礼して退室した。 [数日後](38) 52 君は首を横に振った。 初対面の相手にやすやすと経緯を明かすこともあるまい。 「そうでござるか。なにぶん、天皇の周りは剣呑な空気が立ち込めておるゆえ、ゆめ注意めされよ」 中山忠能の使いは君の答えに失望したようだ。要領を得ない言い回しで警告して去っていった。 [数日後](38) 53 君はとにかく天皇に合わせてほしいと頼みこむ。 伊良子光順は眉間にしわを寄せて悩んだが、遂に顔を上げた。 「わかった。取り次いでみよう」 [天皇の寝所に向かう](50) 54 君は孝明天皇に対して機嫌を尋ねた。 「このような時分に機嫌伺いとは、つくづく異人は礼節をわきまえぬものだ」 天皇は嫌味たらしく言う。 「朕の思いはそなたも知っておろう。天照大神より代々受け継がれしこの国に、朕が今更異人を招くことなどない。下がれ」 そして天皇は再び横たわり、目を閉じる。 [引き下がる](22) [天皇に近づく](13) [命の危険があると告げる](40) 55 君は孝明天皇の病を治療しに来たと伝える。 「ほう、異人が朕を癒やすと申すか。確かに、南蛮には我が国にはない薬があると聞いている。では、見せてみよ」 [薬を見せる](48 "xいしゃ|xやくざいし|xやくそうとり") [見せない](36) 56 ソーサリアン。 そう、君こそが孝明天皇の命を奪った張本人だ。 そんな君に、幕末の日本を脅かす魔を退ける大役が果たせようか。 君の冒険はここで終わる…… 57 孝明天皇は、殺されたのではない。 おそらく、崩御は運命だったのだ。 君はそう思うことにした。 だが、この結末は日本に暗い影を落とす。 その影は、迫りくる魔にとって最大の武器となるだろう。 君の冒険はここで終わる…… 58 君は天皇の寝所にあった地球儀について伊良子光順に尋ねてみた。攘夷を推進する天皇の居室には似つかわしくないように思えたのだ。 「ああ、あれはかつて徳川斉昭様が陛下に献上されたものだ。確か嘉永5年のことだったか。なんでも、ペリーの来航に合わせ、世界に目を向けられよという意味を込めて贈られたらしい。斉昭様は井伊直弼殿との争いに敗れて都を追われ、万延元年に病没されたと聞く。陛下は攘夷を強硬に主張されてはおられるが、決して世界の情勢や南蛮の技術力に暗いわけではないのだ」 なるほどと君は頷いた。 「して、本題だが……」 そうだった。結局、孝明天皇を脅かしているのは何なのだろう。 [呪い](61) [毒](10) [悪霊](25) [病い](6) [わからない](59) 59 君はわからないと答える。それよりも…… 「……ん、おかしいな。ペリー殿が来航されたのは嘉永6年のこと。徳川斉昭様が地球儀を献上されたのはそれより前だ」 「むう、それではあたかも此度の事態を予期していたかのことではないか」 伊良子光順と高階経徳は顔を見合わせる。 「だが、いまはそれどころではない。陛下のご病気をなんとかしなければ」 [孝明天皇に拝謁を願う](53) [できることはない](11) 60 慶応2年12月11日。 君は京都御所に入った。 岩倉具視の紹介状を見せると、衛視は訝しがりながらも君を通してくれた。 だが、御所に着いた君が耳にしたのは、孝明天皇が体調不良であるとの噂だった。 まさか既に天皇に仇なす者が策を弄しているのか?それとも魔のものの手が? [天皇の容態を聞く](4) [天皇の動静を探る](33) [ゆっくり休む](31) 61 君の答えに二人は顔を見合わせる。 「呪い……だと?」 「確かに、それなら薬湯が効かないのも道理。だが、一体誰がそんなことを……?」 [徳川斉昭](64) [岩倉具視](24) [伊良子光順](16) [安倍晴明](76) [わからない](11) 62 君は孝明天皇にCUREを唱えた。 これで大概の毒は消えるだろう。 しかし、天皇は不機嫌なようだ。 「面妖な術を使う異人よ。だが、これ以上の狼藉は無用。とくと去れ」 君は慌てて退散する。魔法が効いたのかどうかは判然としない。 [数日後](38) 63 高階経由と経徳の父子は天皇の信を得て典薬寮の首座を務めていた。彼らなら毒を盛ることなど造作もない。 だが、そのことを知っていながら君は天皇を救うことができなかった。 これから迫りくる魔を退けることなど、君には到底無理だろう。 君の冒険はここで終わる…… 64 君の答えに二人は首をかしげる。 「徳川斉昭様……が?」 「斉昭様は生前陛下と親しかったはず。なぜそのようなことを。それに既に故人なれば、その後何年にも及んで呪いが残ることがあろうか」 二人とも納得しないようだ。 君はそそくさと退散した。 [数日後](38) 65 君の祝詞に呼応するかのように、辺りに黒い霧が立ち込め始めた! 霧はたちまち凝縮し、ローブにすっぽりと覆われた一人の女性の形をとる。 「よくぞ見破ったな。じゃが、我の邪魔立てをする者を生かしてはおかぬ!」 君の眼前に古代イスマリアの王妃が立ち塞がる。 この相手は只者ではない。数千年の時をかけて凝縮した魔の波動が君に襲いかかる。 %red%※Battle Sheetを開いて戦闘を解決してください。※%/% [イスマリア王妃を倒した](14) [HPかMPがゼロになった](34) 66 岩倉は君を自分の書斎に招き入れた。 狭い一室の中に西洋風の机や椅子、本棚などが設えてある。戸棚の中には、外国の書籍や食器、鏡、パイプ、メガネ、傘や地球儀といったハイカラな調度品が所狭しと並んでいる。 岩倉は髪を後ろに束ね、いかつい杖を突き、決然とした姿で君の前に立っていた。 「異国の地から魔を封じるために来たそーさりあん、か。なかなかの面構えをしておる」 [呼び出した理由を尋ねる](72) [用はないと帰る](39) 67 「……魔の波動が始まったようです」 「そうか、案外遅かったな。ようやく賽が投げられたというわけだ」 「して、今後どういたしましょう?」 「はるばる七海を越えてきたというのに、あれは期待外れだ。始末する」 「しかし……」 「うむ、我が国の武器ではあれを滅することはできぬ。私に考えがある。少々回りくどい方法だが、致し方ない。そーさりあんとやらがどこまでやれるか、見てみるとしようぞ」 「はっ」 [本編開始](41) 68 君は、迷うことなく地球儀を手に取る。 すると、その地球儀がにわかにわななき、黒く染まっていく。 両手で抱え込むほどの大きさの漆黒の球体……『黒真珠』だ。 黒真珠の中から、怖気の走るような声が響き渡る。 「よくも……妾を見つけおったな……!」 君は咄嗟に黒真珠を放り投げ、落ちてくるそれに向かって渾身の一撃を振り下ろした。 [すると……](30) 69 君は一通り聞き込みを行ってみた。 孝明天皇は朝廷の中でももともと強い攘夷思想を持っていた。そのため、ペリー来航以来、外国の脅威が高まるにつれ、天皇の権威は弱まっていった。 だが天皇自身、まったく列強を否定していたわけではないようだ。時計など西洋文明の利器には理解を示していたし、攘夷思想を示す長州藩に対しては逆に嫌悪を覚えるようになった。 そんな中で、大久保利通や岩倉具視らは公然と天皇批判をするようになっていた。今や天皇は完全に孤立しているようだ。 [数日後](38) 70 翌12月13日、君は使いの者に起こされた。 [光順のもとへ行く](20 "f03") [使いの話を聞く](44) 71 事の次第を伝え聞いたエティスは、深々とため息をついた。 「まさか、同時代に2つの黒真珠が存在したというのか……?あのとき、京都御所から発せられた闇の波動は、確かに古代イスマリアのもの。魔王ギルバレスの復活とともにかの王妃が蘇りつつあったとて不思議はない。そして、ペリーとともに日本に持ち込まれた地球儀を装った黒真珠を、徳川斉昭から孝明天皇に献上されたそれとすり替えた人物がいる。その人物は朝廷側の人間で、古代イスマリアとも通じており、黒真珠の力を熟知し、そして魔が発する瘴気の力で孝明天皇を葬ろうとしたことになるわけだが……」 エティスはそこでしばし目を閉じた。 その脳裏に、杖をつき、堂々たる威風で立ちふさがる総髪の男の姿が浮かんでいた。 幕末ソーサリアン 肆 朝廷の陰謀 了 72 「実は……天皇陛下をお救いいただきたい」 岩倉は絞り出すような声で君に囁いた。 「孝明天皇が強硬な攘夷派であったことはそなたも知っておろう。だが、それはあくまでも先祖代々伝わってきた我が国の叡智としきたりにおもねってのことだ。大坂湾を埋め尽くす黒船の群れを見て陛下はお変わりになられた。今の陛下は将軍慶喜とともに新しい時代を模索している。我が国は遠からず諸外国に門戸を開くことになろう」 なるほど。君は続きを聞く。 「そこだ。かつて陛下の為した強硬な攘夷路線、さらには先の長州征伐に恨みを抱いている輩も多い。伝え聞くところでは最近、陛下はお体が優れぬという。それがしの読みでは、陛下のお命を狙う下郎がいる。それも、陛下のすぐ近くにな」 岩倉はそこで君に歩み寄り、耳元で囁いた。 「そなたには京都御所に赴いてもらいたい。そこで秘密裏に調査を行い、陛下を傷つける者がいないか警戒するのだ。陛下をお守りしてほしい」 [「わかりました」](15) [「いやです」](26) 73 君は孝明天皇にGIVE-VIGORを唱えた。 これで天皇の生命力は倍増するはずだ。 しかし、天皇は不機嫌なようだ。 「面妖な術を使う異人よ。だが、これ以上の狼藉は無用。とくと去れ」 君は慌てて退散する。魔法が効いたのかどうかは判然としない。 [数日後](38) 74 君は深々と頭を下げて名乗った。 この男こそ孝明天皇だ。就寝中とはいえその風貌は流石に威厳を感じさせる。だが、目に宿る光は弱く、その魂の炎は今にも消え入りそうだ。 「ふむ……して、朕に一体何用ぞ」 [命の危険を話す](40) [ご機嫌伺いに来たと言う](54) [病を治療しに来たと言う](55) 75 君は孝明天皇にUN-CURSEを唱えた。 これで天皇の呪いは打ち消されるはずだ。 しかし、天皇は不機嫌なようだ。 「面妖な術を使う異人よ。だが、これ以上の狼藉は無用。とくと去れ」 君は慌てて退散する。魔法が効いたのかどうかは判然としない。 [数日後](38) 76 君は安倍晴明の名を挙げた。 二人はぽかんとした顔で互いに目を見つめ合う。 「確かに……晴明殿は陰陽にお詳しい……が……」 「代々天皇家に仕えてきた土御門家が今、陛下に仇なすなど、俄に信じられぬ」 「それに、晴明殿は御所にはおらぬ。一体どうやって呪いをかけたのだ?」 君は首を振った。この仮説には無理があるようだ。 [数日後](38) 77 君は岩倉具視の申し出を断った。 阿蘭陀商人というのは芸がない。もう少し別の名目がいいだろう。 **ここで、好きな職業に変更することができます。** [京都御所へ向かう](60) 78 「そうか……」 溜息をつく二人。君も歯ぎしりするが、悪霊を祓う方法は思いつかない。 [数日後](38) 79 **幕末ソーサリアンのステータス強化ルール** **ステータスの強化ポイントについて** 「幕末シナリオ1本の実績取得率10%ごと」に 「対象のパラメータ1つ」を+1強化することができる ※幕末シナリオ1本につき、パラメータを合計+10強化可能 ※強化ポイントを割り振ることのできるパラメータは、 「STR、INT、DEX、KRM」の4項目のみ ※割り振り例)幕末シナリオAの実績取得率100%の場合、 STR+5、INT+1、DEX+3、KRM+1 幕末シナリオBの実績取得率50%の場合、 STR+1、INT+1、DEX+2、KRM+1 **ステータスを強化できるタイミング** 「次にプレイする幕末シナリオを開始してScene 1を開いている間」のみ **強化ポイントの振り直しができるタイミング** 幕末シナリオの最終章をhappyでクリアすると、 これまでの強化ポイントを振り直すことができる ※ただし、「最終章をhappyでクリアする毎に1度だけ」