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Presented By SORCERIAN Next team.
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2017-2020, SORCERIAN Next Team
0 皆も既に知っての事と思うが… 今この幕末日本には時代の荒波が、大きなうねりとなって押し寄せている。 そしてその波に乗らんと、または抗わんとする者達の思惑もまた渦巻き、それぞれの志を成し遂げんがために奔走していた。 その中にあって、その者達の多くに接点を持ち、その動きに大きく干渉する男の存在があった。 その男は、その生まれの星により己の立場を超えて数々の大人物と出会い、そしてその天性の魅力と先見性でそれらに大きな影響を与えていった… ![坂本龍馬](baku05.png) **その男の名は「坂本龍馬」。** ひとつの国の動向・未来を左右するほどの人物…それが${龍|ドラゴン}の名を冠するのは偶然ではないだろう。 事実、ペンタウァ側でも「天の龍から何らかの天命と加護を受けているのではないか?」との見方が強い。 そしてそれはギルバレス復活を目論む”魔”にとっても邪魔な存在らしく… ペンタウァ王室付の祈祷師ユールが受けた神託により、**殊更に強力な悪意が彼に迫っている事が分かった。** 当然、ギルバレス復活阻止を狙う我々としては彼を守るべきである。 よって今回この強力な悪意からの彼の護衛…つまり**命を狙っている”魔”を突き止めて撃退せよ!**との命が君達ソーサリアンに下った。 [これまでのあらすじ](1) 1 **これまでのあらすじ** **序:黒船来航** 幕末期、アメリカの異様なまでの開国要求行動に魔の暗躍を感じ取ったペンタウァの大魔法使いエティスは、ソーサリアンを日本に送り込んだ。 黒船に潜入するが日本に着く直前、手にした”黒真珠”に乗っ取られる”ペリー”。黒真珠は”ツタンカーメン・アポピス”を受肉し消え、魔将軍もそれを追っていく。協力者の存在を知ったソーサリアンもまた日本に上陸する。 **弐:桜田門外の変** 安政7年(1860年)、江戸。 大老”井伊直弼”を討たんと桜田門に集まった侍たちを全滅させたのは、井伊の身に乗り移った鬼”貪るものアミメット”。”魔”による日本の危機を知った井伊は、後を…日本を託せる者を待っていた。そして井伊を…アミメットを撃退したソーサリアン。井伊が語った四魔将、そして封じられた魔。それらを解決するまでソーサリアンの旅は続く。 **参:京都動乱** 元治元年(1864年)、7月。尊皇攘夷派の長州藩士が、京都に攻め入ると同時に市中にあふれかえる魔。魔によってミノタウロスと化した長州藩士らを倒したソーサリアンの前に現れたのは”黒真珠”と魔将軍”ガドルガン”そしてその部下、魔術師”ヘルナー”。ヘルナーを打ち倒すがガドルガンと黒真珠は取り逃がす…ガドルガンは去ったが、京の町にはまだまだ魔の爪痕が多く残されている。それらを解決するまで、ソーサリアンの心は休まることはないだろう。 **肆:朝廷の陰謀** 一貫して強い攘夷思想を持つ”孝明天皇”。その体調が優れぬという… ソーサリアンはその孝明天皇の失脚した侍従”岩倉具視”から天皇を守って欲しいと頼まれる。典医らの話を聞きつつ原因を探るが…なんと”黒真珠”を発見、破壊する。しかし天皇は瘴気に体を蝕まれ、慶応2年12月25日、崩御。 破壊した黒真珠はギルバレスの物ではなかった。ギルバレスや魔将軍らの暗躍は終わってはいない。彼らの野望を阻止するため、ソーサリアンの戦いは続く。 %red%**※BatlleSheetを開いて強化ルールに従ってキャラを強化して下さい。 強化されたキャラでないと通れないルートや勝てない敵などがいます。 逆に強化されていると通れないルート・シーンなどもありますので、意図的に強化せずに進めるのもアリです。**%/% ### 現在の実積率 + 序:${result_rate?baku01} % + 弐:${result_rate?baku02} % + 参:${result_rate?baku03} % + 肆:${result_rate?baku04} % + 伍:${result_rate?baku05} % + 陸:${result_rate?baku06} % [伍:龍がゆく](2) 2 **慶応三年(1867年)十一月十五日 ―京都―** 今日は坂本龍馬の満32歳の誕生日である。 生まれて33年目に入る今日、天の龍の加護を新たに授かり直すためにその加護が一旦途切れるらしく… 今日1日、彼の天運が非常に下がる事が祈祷師ユールの占星術により明らかになった。 それを彼を亡き者にせんとする”魔”が見逃すハズはない。 今日、必ず動きがあるハズだ。 しかしこの坂本龍馬、その行動が真実に迫るほどに既得権益者や志を異にする者達からの反発が強く、元々多方面から常に命を狙われているとの事で、その中から”魔”のみを探し出すのは困難であるため、その全てから守るしかない。 そして通常の人間を含めた多数の敵から護衛をするという性質上、今回は黒子に徹して目立たぬようにする必要がある。 **そのために与えられたアイテムがこの「幻視の指輪」である。** この指輪を付けると、君の肉体だけでなく装備品に至るまでが見た者の文化圏で違和感の無い物に見えるようになる(「同族誤認」の魔法)。 またそれだけでなく、まわりの人間から君の存在自体に意識が行きにくくなる「認識疎外」の魔法もかかっている。 これは他国人では所作を見られても違和感を感じさせてしまう事があるからで、何かと不都合もあるかも知れないが護衛任務としてはその方が都合がよいだろう(まぁせいぜい犬に小便をかけられぬよう気を付ける事だ)。 その他今回の任務のために、毎度おなじみエティスとの連絡通信手段**「王杖の貝殻」**と**「七星欠片を各7つ」**受け取った君は… 今現在、彼が身を寄せているという京都の河原町通りにある醤油商「近江屋」。 まずはそこを尋ねてみる事にした。 [近江屋へ](3) 3 時刻はすでに昼を過ぎ、日は傾きはじめていた。 さて、そろそろ近江屋の近くのハズだが… その時、君の王杖の貝殻に緊急の通信が! **エティス「今、坂本が危機に陥っていると協力者から連絡が入った!場所は近江屋近くの川の橋の上との事…急ぐのじゃ!」** %red%**※StatusのItem欄の「王杖の貝殻」をクリックした後「DETAILS」をクリックしてみてほしい…この通り、エティスからの連絡やアドバイスがある時は表示されるので、困ったらクリックしてみよう。**%/% なんと! トラブルの多い奴だとは聞いていたが早くもか! 川…川………向こうに見えるあれか! この川にかかる橋……… こっちじゃない、あっちか! 遠目に橋の中央に1人、それを両側から何人かが囲んでいる! [マズイ!急げ!!](4) 4 橋の中央には浪人風の男が1人… それを両側から4人ずつ…鮮やかな空色の法被を着た剣士達が詰め寄っている… **新選組だ!!** ということは… いた!うまい具合に橋の、君がいる側の逆から詰め寄っている4人の先頭に土方歳三の姿が。 土方「(ソーサリアン、やっと来たか…)」 協力者とはやはり彼の事か。 慎重に取り囲むなどして時間を稼いでくれていたのだろう。 よし、こちら側の4人はこちらで何とかしよう。 **新選組隊士「なに?貴様、何者だ!」** **坂本「おぉ?誰かは知らんが、助かるぜよ!」** %red%**★Now your enemy is appeared !! Please open the battle sheet …★**%/% [まったくダメージを受けずに撃退した](101 "oSTR10&oDEX10") [多少のダメージは受けたが撃退した](201 "oSTR8&oDEX8") [大きなダメージを受けたがなんとか撃退した](301) [敗北した…](405) 5 ここは、近江屋からさらに離れた路地裏… 坂本「ふぅ、ここまでくれば大丈夫じゃろう。ここら辺は入り組んでおる上に行き止まりのようで抜けれる場所が多い。もしまた見つかっても逃げ切るのは簡単じゃ。」 あの状況でしっかりと隠れ家がバレぬように逆方向に、しかも逃げ隠れするのに有利な場所を目指すとは…かなり逃げ慣れているようだ。 坂本「…さて、助けてもろうといてあれなんじゃが、おまさん一体何もんなんじゃ?わしゃ敵が多いでの、誰でも彼でも信用する訳にはいかんがじゃ。」 さて何と答えたものか… [正直に「ソーサリアン」と答える](102 "oFreeIII2") [「正体は明かせないが信じて欲しい」と答える](202 "oFreeIII1") [「薩摩藩に護衛を頼まれた者」と答える](302) 6 さて、ともかく近江屋へ戻らないと… 坂本「いや?わしゃそもそも大和屋へ行く途中じゃったんじゃ、ちと寄り道したが大和屋へは行くぜよ、用事があるきに。」 たった今殺されかけたというのに、それを「寄り道」と言い放ち、隠れ家へ戻るどころか何事も無かったように外出を継続するとは… いくら襲われ慣れているとはいえ、あきれた豪胆さだ。 坂本「襲われて殺されたなら、わしの天運はそこまで、という事じゃ。」 天の龍の加護を受けている者が言うと説得力があるが… その加護が今日は弱まっているからこうして護衛をしているのだが。 その事も話しておくべきだろうか? [話す](103 "oFreeIII4") [話すか?](203 "oFreeIII1") [話さない](303) 7 仕方ない…その大和屋へ向かうとしようか。 坂本「実は大和屋は近江屋のすぐ近くでの、新選組に追われてこんなとこまで来てしもうたが…方向的には近江屋へ戻るようなもんじゃ。」 なんだ、それならそうと言ってくれれば… 新選組の捜索のほとぼりが冷めるのを待って、大和屋へと向かった。 **※十分な休息が取れたのでHP/MPが全快** [大和屋へ](104 "oFreeIII6") [大和屋へ](204 "oFreeIII1&!oFreeIII6") [大和屋へ](304 "!oFreeIII1") 8 大和屋から近江屋まではすぐだが… **坂本「…尾けられちょるな。」** 大和屋を出てすぐ、いや出る前から4人程の男の視線を感じてはいた。 坂本「これじゃ、近江屋に向かうわけにはいかんのぅ…」 そう言って、先程新選組を巻いた場所まで悠々と歩いて行く。 一見袋小路と思える所に入ると、その男達が近付いてきた。 **主格の男「坂本龍馬殿とお見受けするが、いかに?」** 坂本「ん?おいは薩摩藩士、才谷梅太郎でありもすが…のぅ?」 君「え?あ、あぁ…わしもその薩摩の者やで…ぜよ。」 **主格の男「ふざけるな!!坂本龍馬、御公儀に仇成す大罪人!覚悟せよ!!」** 坂本「おまさん、なまり真似が下手じゃのぅ…」 君「す、すまん(日本人ですらないのだ、勘弁してくれ)」 %red%**★Now your enemy is appeared !! Please open the battle sheet …★**%/% [まったくダメージを受けずに撃退した](105 "oSTR10&oDEX10") [多少のダメージは受けたが撃退した](205 "oSTR8&oDEX8") [大きなダメージを受けたがなんとか撃退した](305) [敗北した…](405) 101 **新選組隊士「うわぁ~!…ドボン!!」** 新選組と言えば、幕末京都の警察のようなものである。 当然、悪の存在ではない。 ならばできれば傷付けたくはない… しかし己の正義のために日頃から鍛錬を重ねた屈強の剣士、生半可な腕では手加減どころかこちらの命が危うい。 さいわい、君も剣の腕には自信があった。 **なんとか${刀背打ち|みねうち}と体術を駆使して4人全員を橋から落す事に成功した。** 坂本「おぉ~…おまさん、やるのぅ!!」 あちらもうまく、坂本に押された土方が味方を巻き込んで倒れて隙を作ったようだ。 坂本「よし!こっちじゃ!!」 坂本に連れられてうまくその場を脱する事に成功したのだった。 [逃げろや逃げろ](5) 102 君「言って信じてもらえるかはわからないが…私はソーサリアンという、遠く離れた異国の地から君を”魔”の手から守るためにやってきた。そしてこの国には今…」 坂本「…はは、すまん冗談じゃ。わしゃちょっと不思議な力があっての、なんとなくじゃがおまさんが何もんかはわかっちょった。姿もちゃんと見えちょるし、この日本が変革の嵐だけでなく西欧列強とは違う、とんでもない悪もんに狙われちょるのもわかっちゅう。」 **なんと!幻視の魔法が効いていないのか!?** では突然現れたこんな出立の者に身を預けたと? その上”魔”の襲来やギルバレスの存在もある程度理解している、とは… これはまいった…天の龍の加護があるとはいえ、並みの器ではない。 君「…では、”魔”が君の命を狙っている事も?」 坂本「いや?なんじゃ、その”魔”さんはわしが幕府を倒したり日本を西欧列強に負けん強い国にすると、都合が悪いんかのう?」 君「直接的にはそうではないだろうが…どうもこの国の混乱と流血が収まるのは、奴等の主の復活にはよくないらしい。」 坂本「そうか。じゃったらそいつらはわしらの、いや日本の敵という事じゃな。よし、わしがやっつけちゃるぜよ!」 はは、なんとも頼もしい限りだ。 ともかく、護衛に付く事は承諾してもらえたようだ。 [では戻ろうか](6) 103 「その天運というか、君を守っているのは”天の龍”と呼ばれる大いなる力で、それがその…今日一日弱まるらしくてな…」 坂本「うん、知っちょる。乙女姉さんが言うちょったよ、わしが生まれた夜に空に大きな流れ星が1つ、その長い光の尾がまるで龍のようじゃったって。んで、わしはたまーに夢でなんか言われたよーな気がするんじゃ。覚えちょらんのじゃが確かに何か大事な事を言われて…内容はわからんが、どうするべきかは漠然とじゃがわかるっちゅうやつでな。今日の事も…」 君「で、ではなぜ?」 坂本「その”天の龍”さんもおとなしくしとけと言いたかったんじゃろうが…今日は運が悪いから出かけないというのも、命を狙われてるから出かけないというのも同じ事じゃろう。むしろ今日こそが本当の天運というものぜよ。」 **…これは”豪胆”ではない。** **もはや”悟りを開いている”と言っていいレベルだ。** であれば説得など無駄であろう。 [仕方ない…大和屋へ向かうか](7) 104 大和屋は近江屋近くの酒屋だ。 坂本と共に暖簾をくぐる… 坂本「すまんが、福岡はおるかぇ?」 大和屋「あいにく福岡様はお出かけになっておりますが…」 坂本「ありゃ、そうかぇ…いつ戻る?」 大和屋「申し訳ありません、聞かされておりませんので…」 坂本「うーむ、仕方がないのぅ…出直すか。」 命懸けでやってきて”留守”で終わりか… 坂本「まぁそういう事もあるきに、いちいち気にしちゃおられんぜよ。」 [では戻ろうか](8) 105 **刺客1「くっ…」** **刺客2「お、おのれ!」** 技術的には新選組に劣るものの、確固たる殺意をもって斬りかかってくる分手強い相手ではあったが… **君はなんとか傷付ける事無く撃退する事に成功した。** 坂本側も同様のようだ。 **主格の男「ええい!なんたる事だ!引け、引けぇーい!!」** 坂本「ふぅ、引いたか…しかし、おまさんまっことすごい腕前じゃのう。わしより強いんじゃないがか?」 坂本はこの剣術が支配する国において、ほぼ最高の剣技を持つという。 実際、新選組の時も今回も、自分を殺すつもりのしかもかなり鍛えられている相手を、割と苦も無く傷付けずに撃退している。 同じ事をなんとかやっと出来ている君を、それほど買いかぶられても困るというものだ。 君「いや、本当にやっとだよ…ほとんど余裕は無い。もしあなたに危険が迫るようなら、不殺というわけにはいかなくなる。その時は…」 坂本「あぁ、わかっちょる。わしも自分だけならまだしも、他の者にその身を危険に晒してまで不殺を貫けとは言わん。じゃがのぅ…人間生きてさえおればどうとでも変われるし、何にでもなれるんじゃ。じゃからな…遥か彼方の異国から来たおまさんが、そうであってくれちょるというのが、人はどこで生まれて育ってもそうあるべきじゃと言われたようで、わしはうれしくてたまらんがぜよ。」 坂本には言葉では言い表せない想いがあるようだ。 それだけ、死んでいった者の無念を背負っているからこその不殺。 そしてそれこそが、色々な意味でこの男を支えているのだろう… [近江屋へ](106) 106 付けられていないか慎重に様子を見ながら、いろいろ遠回りしてやっと近江屋に到着した。 坂本「ふぅ…ちょいと近所に出かけるだけのハズが、随分大事になってしもうたのぅ。」 そう思うなら出かけずにおとなしくしておいてほしいものだが… 坂本「わしゃ、閉じこもっとると息が詰まってどうにも耐えられんきに…こりゃあ性分じゃき直らんぜよ。」 困った奴だ…しかしこういう部分を含めての”この男”なのだろうから、仕方が無いか。 中に入ると、体格はいいがまだどこか少年っぽさの残る若者が出迎えた。 若者「お帰りやす、坂本先生…そちらは?」 坂本「ただいま藤吉、こちらはな…えぇと…薩摩藩から遣わされたわしの護衛をしてくれる…」 **君「${相佐 理安|そうさ りあん}と申します。」** 藤吉「変わったお名前でんなぁ…お坊さんの家系かなんかでっか?」 君「…まぁ似たようなものです。」 坂本「こちら腕は確かでの、すでに何回か助けられたきに、信用してくれてええ。」 藤吉「わかりました、皆にもそう伝えます。」 そうして坂本に付いて階段を上がり、二階の部屋へと入っていく。 坂本「まぁ、とりあえずはくつろいじょってくれ。色々と人の出入りはあるかもしれんが、その都度紹介するきに。」 階段を上がってすぐの場所に一部屋、八畳ほどの広さで窓の向こうは外である。人の出入りを管理しやすく攻め込まれても逃げやすい…なかなかに守りに適した環境だ。 これならば少しは気を楽にして護衛にあたれそうだ。 [しばらくすると…](107) 107 時刻はすでに夕刻を過ぎて夜にかかろうという頃… **中岡慎太郎がやって来た。** 坂本龍馬と並ぶ攘夷志士で、特に先日の大政奉還では坂本に匹敵するほどの活躍を見せている。 それほどの大物であるからして”魔”に目を付けられる可能性は高く、ペンタウァ側でも注視している人物である。 中岡「おぅ、龍馬!…そっちは?」 坂本「あぁ、薩摩藩から遣わされたわしの護衛での…」 **君「${相佐 理安|そうさ りあん}と申します。」** 中岡「?西郷はそんな事言うちょらんかったが…」 坂本「わ、忘れちょったんじゃろう!西郷さんも忙しいきに!」 中岡「ふーん…」 坂本「何より腕は確かじゃ!まっこと強きお人じゃぞ!」 中岡「おんしがそう言うならよいが…」 坂本「それよりも明日じゃ!明日わしゃ勝先生に会うんじゃ!」 中岡「勝海舟か…」 坂本「そうじゃ!中岡おんしも一緒に行こう!勝先生なら大政奉還の仕上げにいい案も考えてくれるハズぜよ!」 中岡「そうじゃな…」 どうにも、重要人物の行動予定や考えている事を部外者の身で聞くというのは…信用されているという点ではうれしいが、そんな事で大丈夫なのか?と思ってしまうな。 …と、つい気が緩んでしまうが今は護衛に集中するべきだ。 **”魔”は必ず来る。** その気配の察知に神経を研ぎ澄ませるのだ… **※十分な休息が取れたのでHP/MPが全快** [しかし今日は寒いな…](108) 108 坂本「うー…今日は冷えるのぅ…そうじゃ!${軍鶏|シャモ}鍋でも食うてあったまろうぜよ!」 中岡「おぉ、ええのぅ。」 坂本「峰吉ーー!!」 坂本にそう呼ばれて、ドタドタと階段を駆け上がってくる音… 入って来たのは歳の頃十五ほどの少年。 峰吉「はい!なんでっしゃろ?」 坂本「軍鶏買うてきてくれんか?」 峰吉「わかりました!」 しばらくして、一階の家人に頼んだ鍋と共に峰吉の買った軍鶏が二階の食卓に並んだ。 中岡「…よし、野菜が煮えてきた。そろそろ軍鶏を…」 坂本「はよ煮てしもうて食おうぜよー」 中岡「あほ、野菜の味が染みた煮汁で煮るのはもちろん、こうして煮えるタイミングを合わせてこそ、野菜と軍鶏の味が渾然一体となってじゃな…」 どうやら中岡は所謂”鍋奉行”のようだな。 中岡「そろそろええ塩梅じゃ…」 坂本「おぉー待ちかねたぜよー」 中岡「ほれ、野菜もちゃんと食うんじゃぞ」 中岡がテキパキと君も含めた全員の小皿に鍋の物を盛っていく。 坂本「ささ、皆食おうかの!」 [う、うまそう…](109) 109 **渡された小皿に手を付けようと香りを嗅いだ瞬間!** **君の危機感覚と魔力探知が同時に警鐘を鳴らした!** **君「…!!待った!!食べるな!!」** 坂本「な、なんじゃ!?」 中岡「どうした?」 **君「これは…毒だ!!」** 様々な場所で様々な物を食料としてきた君の経験が、巧妙に隠された毒物の存在を嗅ぎ取った。 しかもごく微量ながら魔力も感じる… これは魔力で毒性を強化しつつ感知されにくくもされた、強力な魔法毒だ。 まさか”魔”の者が直接ではなく、間接的な手段で殺しに来るとは… 完全に虚を突かれた。 いや、想定が甘かったと認めざるを得ない… 危うく見逃すところだった。 [一体誰が…?](110) 110 **「…まさか我が魔毒に気が付こうとはな…正直、侮っていたぞ。」** 部屋の外で様子をうかがっていた、毒を入れた犯人が入って来た… **峰吉だ。** **といっても目は虚ろで、禍々しいオーラに包まれている…** 坂本「み、峰吉?」 君「何者だ!!」 峰吉「ふっ何も知らずに魔毒で死んでいた方が幸せだったものを…」 …おかしい。 毒に含まれた魔力に気付くのが遅れたのはまだしも、こんな奴に憑りつかれているのを見逃すなんて…あれほど魔力探知の結界を張って神経を研ぎ澄ませていたというのに。 峰吉「バカめ…我が隠密魔力を、高位の魔導士ならいざ知らず貴様ごときただの魔法戦士に探知できるものか。」 隠密性に特化した魔力を持つだと? ではやはり貴様は… **峰吉「我が魔毒を見破った褒美に教えてやろう…我は影、我は闇、夜の影より滲み出て、人知れずその命を黒く染め、そしてまた闇に還る…我が名は”ファウスト”。魔将軍の命により”龍”の者…坂本龍馬、貴様の命貰い受ける!」** [その時、階下から…](111) 111 **藤吉「ど、どないしはったんでっかー!?」** ドタドタと大きな音を立てて階段を駆け上がって入って来た藤吉が、峰吉の後ろに立った。 峰吉「………よし」 一瞬、何か考え付いたような間を開けてファウスト…その黒いオーラは峰吉から離れた。 峰吉「う…」 ドサリ、と倒れて小さくうめき声をあげる峰吉。 **藤吉「…へ?…うぐっ!」** **同時に当然のごとく藤吉に憑り付くファウスト。** これは… 同じ武器を持たないなら、体格に優れた方に乗り換える… それだけではない。 解放された峰吉が無事であるのを見せる事によって藤吉に手を出しにくくする… マズイ、坂本の性格をよく知られてしまってるようだ。 坂本「峰吉!大丈夫か!?」 峰吉「…えっ?な、なんやなんや!?どないなっとんのや!!」 状況がわからず、腰を地面に着けたまま後ずさりして藤吉から離れる峰吉。 藤吉「ふふふ…さて、どうする?」 ボキボキと指を鳴らしながらこちらににじり寄ってくる藤吉… **坂本「いかん!いかんちゃ!藤吉も操られちょるだけじゃ!斬っちゃならんぜよ!」** やはりそうなるか…どうする? [素手で押さえ込む](112) [攻撃するフリで追い出す](212) [攻撃する](312) 112 仕方がない… **君は剣を収めて素手で構える。** 坂本「よし、わしらもじゃ!中岡!」 3対1なら何とかなるか? だがおそらく憑り付かれた相手は本来以上の力を発揮する。 信じられないような怪力でドサクサに坂本を殺されかねない、自分が前面に立って2人には補助的な役割に徹してもらわないと… 藤吉「この体はなかなか強いぞ?そら!はっ!」 力士である藤吉が使うはずのないパンチやキックが、ものすごい勢いで繰り出される。 さいわい君は防具を付けているので、それで受けたり流したりはできるのだが…これでは埒が明かない。 藤吉「そらそら!どうしたどうした!」 調子に乗った奴は坂本と中岡にも攻撃を繰り出す。刀を抜けず防具も無い2人では手の出しようがない。 **ひと芝居打たねばならんか…** 防具の隙間が出来やすいよう角度を付けて間合いを詰める君… 見事にその隙間に攻撃が入る。 君「うげぇ…」 藤吉「その頭カチ割ってくれるわ!」 **大上段から降り降ろされた渾身の手刀…** **だが君はその内側に潜り込み、肩口から体当たりで突っ込む!** 藤吉「なにぃ!?」 もんどりうって倒れ込む2人。 坂本「今じゃ!」 即座に坂本と中岡が覆いかぶさり、藤吉を押さえ込む! [4人がもみくちゃに…](113) 113 4人がもみくちゃになる中… 藤吉「…あれ?ワイは…一体どうしたんでっか?…確か…」 藤吉はすでに正気に戻っている?いつの間に…? **ハッとして振り向いた君の目に映ったのは…** **今まさに中岡に憑り付かんとする黒いオーラ…ファウストの姿だった!** 坂本「そうはいかんちゃ。」 **間一髪、中岡とファウストの間に割って入る坂本。** ファウスト「き、貴様!?」 対応が早すぎる…これを予想していたのか? しかも自分には憑り付けないと知って? 坂本「ま、そんな事じゃろうと思うちょった。あとわしに憑り付けるなら最初からそうしちょるじゃろ。」 **ファウスト「おのれぇ…”龍”の者!こうなったら直接我が暗黒の力で貴様の命を闇に滅するまでよ!!」** **ファウスト…その黒いオーラがどんどんその量と密度を高めて何かをかたどってゆく…奴がついにその真の姿を現す!** [その姿は…](114) 114 その姿は人間の全身に黒いボロ布を巻き付けたようなものであったが… その中身は暗黒の瘴気。まさしく、影や闇そのものといった風体だ。 だがそれは暗殺を旨とする故、目立たぬ為この姿に収められているに過ぎない。 その奥底から、今や隠されもせず放たれている強烈な邪気と圧倒的な存在感は、巨体の怪物や凶悪な魔物を遥かに凌駕する!! 今までのオーラを”風”とするなら、それを大量に凝縮したこれは”嵐”… いや、この小さな姿に押し込められ今にも爆発せんと渦巻く様は”竜巻”か。 **ファウスト「この姿となった我を見たからには…楽には死ねんぞ!!」** 坂本「中岡!わしらもやるぞ!!」 中岡「おぅ!!」 %red%**★Now your enemy is appeared !! Please open the battle sheet …★**%/% %blue%**★ファウスト攻撃詳細★**%/% **●攻撃1(単体攻撃):シャドウ・アタック** 闇に紛れての超高速突進攻撃…目に映るは残された影のみ。 ※3人から1人を選んでの単体攻撃。HP/STRが低いと即死するほど威力が高い。 **●攻撃2(全体攻撃):シュツルム・ウント・ドランク** 敵陣に一瞬で一気に斬り込む疾風怒濤の攻撃。 ※3人全員に対しての全体攻撃。シャドウ・アタックよりは落ちるが全体にしては攻撃力が高く、坂本/中岡のHPをあっさりと削ってしまう。 **●攻撃3(魔法攻撃):シュバルツ・シルト** 漆黒の森に魂を引きずり込む精神魔法攻撃。 ※これもMP/INTが低いと即死。その上坂本/中岡は魔法耐性が低いため行動不能に陥るので反撃に参加できない。つまり君が防御すると全く反撃ができない…という恐るべき攻撃。何らかの魔法で対抗しよう。 %blue%**★通常通りでない魔法の効果★**%/% **・PROTECT** 君だけでなく坂本/中岡にも効果がある。※効果は1ターンのみ。 **・HOLY-WATER** 攻撃3の君へのダメージを1/2にして坂本/中岡を反撃に参加可にするが、この2人がファウストに与えるダメージは1/2とする事。※効果は1ターンのみ。 **・各攻撃魔法** どの攻撃魔法であっても攻撃3を相殺して(君はダメージを受けない)坂本/中岡を反撃に参加可にするが、君は反撃に参加不可。 %blue%**★その他詳細★**%/% ・魔法の使用回数とタイミングは自由でいつ何回でも使用可(欠片があれば)。 ・防御の選択タイミングは自由。ダメージを受ける=式をクリックする直前でもよい。ただし戻さないと1/2のままなので注意(こちらの攻撃も1/2)。 ・坂本/中岡が戦闘不能になった際に攻撃対象となった場合は、1つ後ろにズレるものとする。例えば攻撃1で戦闘不能の中岡が選ばれたなら攻撃対象は君。なお攻撃2の場合は戦闘不能者への攻撃分を他の者が受けたりする必要は無い。 [勝利!!](115) [敗北…](406) 115 君「どうだ!」 坂本「やったぜよ!」 中岡「よっしゃ!」 ファウスト「バ、バカな…こ、この我が………ぐふっ!」 よろよろと後ずさり、膝をついて地面に倒れ込む… ファウスト「…ふ、ふふふ…これほどとは…な…確かに貴様は強い…例え魔将軍であろうと、貴様に勝つ事は難しいかもしれん………だ、だがその強さゆえに、己が戦う事で全てが解決すると…思っているのではない…か?」 なんだ?一体何を言っているんだ? **ファウスト「貴様は…我を倒した…それは認めてやろう…だが”この戦い”に勝ったのは………我の方だ!!」** [一体何を…](116) 116 坂本「…えっ!?」 中岡「うっ!…」 **いつの間にか背後にいた刺客2人が、それぞれ坂本と中岡の胸を刀で貫いていたーーー!!!** **君「なっなんだとおぉぉぉーーー!!!」** そんなバカな!!今、本命の”魔”の暗殺者を倒したじゃないか!! 一体なぜ!?何者が!? ファウスト「…我と貴様…どちらが勝ってもよかったのだ…貴様の意識さえ逸らせれば…あとは…」 刺客1「やりましたぞ!ファウスト様!!」 刺客2「ファ、ファウスト様!!」 ファウスト「そうか…では…魔将軍に…報告を…」 刺客1&2「はっ!」 **そう言って刺客2人から抜け出たオーラは夜の闇に消えた…** [バ、バカなーー!!](117) 117 **君「うおおおぉぉぉーーー!!!」** 必死に回復・蘇生を試みるが… 2人とも正確に心臓を刺し貫かれている…どう考えても、助からん… **君「こんな…こんな………」** ファウスト「これは…目的のためにあらゆる手段を用意し、その実行に命を懸けた我と…自らが戦いさえすれば負けはしない、と慢心した貴様との…差…なのだ………ふふふ…満足だ…任務を遂行し…最後にこれほどの強き者とも戦えた…闇に生まれ、影に生きた我の…最期としては上出来すぎるほどよ………」 そう言うと、ファウストの本体…その黒いオーラは風の中にふわりと霧散した。 そして、すぅっと闇の中へと消え…いや、還っていった… 後には黒いボロ布だけが残り、僅かな風に吹かれて… ゆらゆらと、いつまでもその場で風になびいていた… **君「ちくしょおおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!」** [その頃…](500) 201 **新選組隊士「ぐわぁ~!…ドボン!!」** 新選組と言えば、幕末京都の警察のようなものである。 当然、悪の存在ではない。 ならばできれば傷付けたくはない… しかし己の正義のために日頃から鍛錬を重ねた屈強の剣士、生半可な腕では手加減どころかこちらの命が危うい。 君も剣の腕には自信がある方だったが、さすがに4人は厳しい。 極力、致命傷を与えぬよう立ち回ったが… **戦闘不能ダメージを与えつつ、橋から落とすのが精一杯であった。** 坂本「…おまさん、なかなかやるのぅ。」 あちらもうまく、坂本に押された土方が味方を巻き込んで倒れて隙を作ったようだ。 坂本「よし!こっちじゃ!!」 坂本に連れられてうまくその場を脱する事に成功したのだった。 [逃げろや逃げろ](5) 202 君「事情があって正体は明かせない…だが信じて欲しい、私は君をさる”魔”の手から守るためにやってきた。そしてその”魔”とはとても恐ろしい存在で…」 坂本「…実はわしゃ結構カンがいい方での、おまさんが悪人でなくてウソをついちょらん事も大体わかるんじゃ。じゃから信用はするし、今この日本を覆っちょる…西欧列強とは違う、別のもっと大きな悪意の正体がその”魔”と関係あるんじゃろうというのも予想がついちょる。」 …これも天の龍の加護の力なのか? 己とこの国が置かれた状況を、ある程度知って理解しているようだ。 君「…では、”魔”が君の命を狙っている事も?」 坂本「いや?なんじゃ、その”魔”さんはわしが幕府を倒したり日本を西欧列強に負けん強い国にすると、都合が悪いんかのう?」 君「直接的にはそうではないだろうが…どうもこの国の混乱と流血が収まるのは、奴等の主の復活にはよくないらしい。」 坂本「そうか。じゃったらそいつらはわしらの、いや日本の敵という事じゃな。よし、わしがやっつけちゃるぜよ!」 はは、なんとも頼もしい限りだ。 ともかく、護衛に付く事は承諾してもらえたようだ。 [では戻ろうか](6) 203 君は天の龍の加護の話をしようとしてその口をつぐんだ。 一体何と言えばいいのか? よしんばそれが伝わったとして、今日はその加護が無いなどと、いたずらに危機感をあおってそれで果たしてうまく事が運ぶのか? それで隠れ家に閉じこもってくれたとしても、それが本当に正しいあるべき行動となるのだろうか? 天運や因果というものはそういうものではない、と思う。 坂本「…何か言いたそうじゃの。わしの護衛に付いた人らはみんなそうなるきに。すまんが…」 …仕方ない、護衛対象が自ら好き好んでその身を危険に晒す、というのは護衛する側としてはたまったものではないが、王族など要人の護衛というのはそういうものでもあるか。 あきらめて付いて行くしかない。 [仕方ない…大和屋へ向かうか](7) 204 大和屋は近江屋近くの酒屋だ。 坂本「おまさんは外で待っといてや。」 そう言うと坂本は暖簾をくぐっていった。 中で襲われる可能性もあるが、順当に考えれば外から襲われるのが普通だろう。 であれば、外で警戒に当たるのが正解なのは確かなのだが… どうにも少し釈然としない所はある。 まだまだ信頼を得られてはいないという事か。 そうこう考えてる間に坂本が早々に出てきた。 坂本「用事のある相手が留守じゃったわ、ははは…」 命懸けでやってきて”留守”で終わりか… 坂本「まぁそういう事もあるきに、いちいち気にしちゃおられんぜよ。」 [では戻ろうか](8) 205 **刺客1「ぐぅっ…」** **刺客2「お、おのれぇ!」** 技術的には新選組に劣るものの、確固たる殺意をもって斬りかかってくる分手強い相手である。 **君はなんとか命までは奪わずとも、攻撃能力を無力化する事で撃退する事に成功した。** 坂本側はどうも相手を傷付けずに撃退したようで…すごい剣の腕前だ。 **主格の男「ええい!なんたる事だ!引け、引けぇーい!!」** 坂本「ふぅ、引いたか…しかし、おまさんなかなかの腕前じゃのう。」 坂本はこの剣術が支配する国において、ほぼ最高の剣技を持つという。 実際、新選組の時も今回も、自分を殺すつもりのしかもかなり鍛えられている相手を、割と苦も無く傷付けずに撃退している。 魔物ではなく人間であるからして、できれば傷付けたくはないが…殺す気で襲ってくる相手に同じ事をやれと言われても困る。 命のやり取りをして死なずに済んだのだから、手足の一本くらい安いものだと思って欲しい所だ。 君「いや、私にはあなたほどの腕も無ければ余裕も無い。だから、あなたの身だけでなく自分にも危険が迫るようなら…」 坂本「あぁ、わかっちょる。わしも自分だけならまだしも、他の者にその身を危険に晒してまで不殺を貫けとは言わん。じゃがのぅ…人間生きてさえおればどうとでも変われるし、何にでもなれるんじゃ。じゃからな………」 坂本には言葉では言い表せない想いがあるようだ。 それだけ、死んでいった者の無念を背負っているからこその不殺。 そしてそれこそが、色々な意味でこの男を支えているのだろう… [近江屋へ](206) 206 付けられていないか慎重に様子を見ながら、いろいろ遠回りしてやっと近江屋に到着した。 坂本「ふぅ…ちょいと近所に出かけるだけのハズが、随分大事になってしもうたのぅ。」 そう思うなら出かけずにおとなしくしておいてほしいものだが… 坂本「わしゃ、閉じこもっとると息が詰まってどうにも耐えられんきに…こりゃあ性分じゃき直らんぜよ。」 困った奴だ…しかしこういう部分を含めての”この男”なのだろうから、仕方が無いか。 中に入ると、体格はいいがまだどこか少年っぽさの残る若者が出迎えた。 若者「お帰りやす、坂本先生…そちらは?」 坂本「ただいま藤吉、こちらはな…えぇと…薩摩藩から遣わされたわしの護衛をしてくれる…」 **君「${相佐 理安|そうさ りあん}と申します。」** 藤吉「変わったお名前でんなぁ…お坊さんの家系かなんかでっか?」 君「…まぁ似たようなものです。」 坂本「こちら腕は確かでの、すでに何回か助けられたきに、信用してくれてええ。」 藤吉「わかりました、皆にもそう伝えます。」 そうして坂本に付いて階段を上がり、二階の部屋へと入っていく。 が、さすがに会ったばかりの人間同士がひとつの部屋にずっと一緒にいるのは気まずいというか何というか… 君「私はここでいい。」 君はそう言って部屋の外、出入口のふすまの脇にどっかりと腰掛けた。 剣を携え、瞑想さながらに目を閉じて、出入りする者を一瞥する… 気分はすっかり用心棒の先生だ。 実際こうやって魔力探知に集中した方が、本命の”魔”に対処しやすいだろう。 坂本「ほうか…まぁなんかあったら声を掛けちょくれ。」 [しばらくすると…](207) 207 時刻はすでに夕刻を過ぎて夜にかかろうという頃… **中岡慎太郎がやって来た。** 坂本龍馬と並ぶ攘夷志士で、特に先日の大政奉還では坂本に匹敵するほどの活躍を見せている。 それほどの大物であるからして”魔”に目を付けられる可能性は高く、ペンタウァ側でも注視している人物である。 中岡は君の事を気にしつつも中に入っていく… 中岡「おぅ、龍馬!…あれは?」 坂本「あぁ、薩摩藩から遣わされたわしの護衛での…」 中岡「?西郷はそんな事言うちょらんかったが…」 坂本「わ、忘れちょったんじゃろう!西郷さんも忙しいきに!」 中岡「ふーん…」 坂本「何より腕は確かじゃ!」 中岡「おんしがそう言うならよいが…」 それ以上の会話はよく聞き取れなかったが… あまり立ち入った事を部外者の身で聞くのもなんだし、ちょうどよいだろう。 何より今は護衛に集中するべきだ。 **”魔”は必ず来る。** その気配の察知に神経を研ぎ澄ませるのだ… **※十分な休息が取れたのでHP/MPが全快** [しかし今日は寒いな…](208) 208 坂本「峰吉ーー!!」 坂本にそう呼ばれて、ドタドタと階段を駆け上がってくる… 入って行ったのは歳の頃十五ほどの少年。 峰吉「はい!なんでっしゃろ?」 坂本「${軍鶏|シャモ}買うてきてくれんか?」 峰吉「わかりました!」 しばらくして、一階の家人に頼んだ鍋と共に峰吉の買った軍鶏が部屋に運ばれていった。 さらに少しして軍鶏鍋が出来上がったようだ。 坂本「ほい、おまさんも食べちょくれや。」 よかった、君の分もあったようだ。 実は腹が減ったところにいい香りがして困っていたのだ。 ありがたくいただこう… [う、うまそう…](209) 209 **渡された小皿に手を付けようと香りを嗅いだ瞬間!** **君の危機感覚と魔力探知が同時に警鐘を鳴らした!** **君「…!!待った!!食べるな!!」** 立ち上がり様にふすまを開けて叫んだが時すでに遅し… 二人とももうすでに少し食べている様子。 坂本「な、なんじゃ!?」 中岡「どうした?」 **君「これは…毒だ!!」** 様々な場所で様々な物を食料としてきた君の経験が、巧妙に隠された毒物の存在を嗅ぎ取った。 しかもごく微量ながら魔力も感じる… これは魔力で毒性を強化しつつ感知されにくくもされた、強力な魔法毒だ。 坂本「…うっ!」 中岡「うぐっ!」 バタリ、と倒れる二人。 いかん!間に合うか!? [CUREが使える](210 "mCURE") [CUREが使えない](401) 210 **解毒魔法CUREをかける君…** **さいわい、取り込んだ毒素が少なかったおかげでなんとか解毒できたようだ。** 坂本「はぁ…はぁ…」 中岡「うっ…うぅ…」 **「…まさか我が魔毒に気が付こうとはな…正直、侮っていたぞ。」** 部屋の外で様子をうかがっていた、毒を入れた犯人が入って来た… **峰吉だ。** **といっても目は虚ろで、禍々しいオーラに包まれている…** 坂本「み、峰吉?」 君「何者だ!!」 峰吉「ふっ何も知らずに魔毒で死んでいた方が幸せだったものを…」 …おかしい。 毒に含まれた魔力に気付くのが遅れたのはまだしも、こんな奴に憑りつかれているのを見逃すなんて…あれほど魔力探知の結界を張って神経を研ぎ澄ませていたというのに。 峰吉「バカめ…我が隠密魔力を、高位の魔導士ならいざ知らず貴様ごときただの魔法戦士に探知できるものか。」 隠密性に特化した魔力を持つだと? ではやはり貴様は… **峰吉「我が魔毒を見破った褒美に教えてやろう…我は影、我は闇、夜の影より滲み出て、人知れずその命を黒く染め、そしてまた闇に還る…我が名は”ファウスト”。魔将軍の命により”龍”の者…坂本龍馬、貴様の命貰い受ける!」** [その時、階下から…](211) 211 **藤吉「ど、どないしはったんでっかー!?」** ドタドタと大きな音を立てて階段を駆け上がって入って来た藤吉が、峰吉の後ろに立った。 峰吉「………よし」 一瞬、何か考え付いたような間を開けてファウスト…その黒いオーラは峰吉から離れた。 峰吉「う…」 ドサリ、と倒れて小さくうめき声をあげる峰吉。 **藤吉「…へ?…うぐっ!」** **同時に当然のごとく藤吉に憑り付くファウスト。** これは… 同じ武器を持たないなら、体格に優れた方に乗り換える… それだけではない。 解放された峰吉が無事であるのを見せる事によって藤吉に手を出しにくくする… マズイ、坂本の性格をよく知られてしまってるようだ。 坂本「峰吉!大丈夫か!?」 峰吉「…えっ?な、なんやなんや!?どないなっとんのや!!」 状況がわからず、腰を地面に着けたまま後ずさりして藤吉から離れる峰吉。 藤吉「ふふふ…さて、どうする?」 ボキボキと指を鳴らしながらこちらににじり寄ってくる藤吉… **坂本「いかん!いかんちゃ!藤吉も操られちょるだけじゃ!斬っちゃならんぜよ!」** やはりそうなるか…どうする? [攻撃するフリで追い出す](212) [攻撃する](312) 212 こちらは3人、打つ手がないワケではない… だが果たして…君は剣を構える。 坂本「や、やめるんじゃ!」 君は坂本にそっと目配せをする… 坂本「…!」 どうやら坂本も君の真意を理解してくれたようだ。 藤吉「本当に殺せるかな?そら!はっ!」 力士である藤吉が使うはずのないパンチやキックが、ものすごい勢いで繰り出される。 だがさすがに剣を構えた君に対してはあまり思い切っては踏み込めないようで、攻撃が甘い。 おかげで君は奴の攻撃をいなしつつ、**相手が避けれる程度に抑えた攻撃を繰り出す事が出来た。** 藤吉「ははは、やはり殺すのをためらっているな?攻撃が甘いぞ!!」 奴は君の攻撃をかわしつつ、懐へ潜り込んだ! 藤吉「これで剣は使えまい!」 **君「あいにく、それがこちらの狙いでね!」** 藤吉「なに!?」 **言うが早いか、君は剣を捨てて肩口から奴に体当たりで突っ込んだ!** もんどりうって倒れ込む2人。 坂本「今じゃ!」 示し合わせたかのように坂本と中岡が覆いかぶさり、藤吉を押さえ込む! [4人がもみくちゃに…](213) 213 4人がもみくちゃになる中… 藤吉「…あれ?ワイは…一体どうしたんでっか?…確か…」 藤吉はすでに正気に戻っている?いつの間に…? **ハッとした君の後ろに邪悪な気配!** **それは今しがたの峰吉・藤吉から感じたものよりはるかに強い!** 坂本「…中岡?」 **そこには早々に抑え込みをやめた中岡が、ドス黒いオーラを発しながら立っていた。** **中岡「ふふふ…ひと芝居打ったつもりのようだが、それはこちらも同じ事よ。最初から目的はこの男だったのだからな…」** なんだと?では藤吉はおとり…いや中岡に憑り付くための中継だったというのか?しかし… [一体なぜ?](214) 214 中岡「この男ほど坂本を殺すのに適した者はいない。坂本に近い活躍…すなわち同等の特異点人物との接点を持ち、多数の同志の希望と多数の敵の怨念を背負い、それらを力としながら…坂本への嫉妬という心の闇を抱えておる。それを魔の力で増幅してやれば…ほれ、この通りだ。」 **峰吉・藤吉とは比較にならないほどの強烈なオーラが中岡の全身から吹きあがる!** **これはもう、手加減だとか体から追い出すだとか言ってられるレベルではない!** **全力で戦わなければ、やられる!!** 坂本「中岡!おまんほどの男が…どうした!しっかりするんじゃ!!」 中岡「無駄だ。すでにこの者の心は闇に落ちた…坂本、貴様への嫉妬でな。」 坂本「そんなわけあるか!よし、わかった!わしが目を覚まさせちゃる!!」 %red%**★Now your enemy is appeared !! Please open the battle sheet …★**%/% %blue%**★中岡(憑依)攻撃詳細★**%/% **●攻撃1(単体攻撃):魔剣壱の太刀・斬** 通常の斬りではあるが、元々の腕に魔の力が加わり受けるのも危険なほどの攻撃となっている。 ※1人を選んでの単体攻撃。通常攻撃としてはかなり威力が高い。 **●攻撃2(全体攻撃):魔剣弐の太刀・喝** 負の感情を増幅して気合と共に叩きつける精神攻撃。 ※全員に対しての全体精神攻撃。威力はソコソコだが、受けた者の反撃時の攻撃力が1/2にされてしまう、地味に嫌な攻撃。 **●攻撃3(単体攻撃):魔剣参の太刀・断** 渾身の力で相手を一刀両断にする必殺の一撃。 ※1人を選んでの単体攻撃。必殺だけあってまともに喰らえばほぼ即死。回避を選択すればその心配は無いが…受けて立つのも男のロマン。そして渾身の攻撃にはそれ相応の隙が生まれる、故に反撃がカウンターで決まれば攻撃力2倍(逃げ腰の回避ではダメ)。受けて立ったが失敗時のみ防御、というのも手堅いがあまりカッコよくはない。 %blue%**★通常通りでない魔法の効果★**%/% **・PROTECT** 攻撃1/攻撃3のダメージを君/坂本ともに1/2にする。※効果は1ターンのみ。 **・HOLY-WATER** 攻撃2のダメージを君/坂本ともに1/2にするが、反撃時の攻撃力は1/2で変わらない。※効果は1ターンのみ。 **・各攻撃魔法** どの攻撃魔法であっても攻撃2を相殺して(君/坂本ともダメージを受けない)反撃の攻撃力も通常通りだが、君は反撃に参加不可。 %blue%**★その他詳細★**%/% ・魔法の使用回数とタイミングは自由でいつ何回でも使用可(欠片があれば)。 ・防御の選択タイミングは自由。ダメージを受ける=式をクリックする直前でもよい。ただし戻さないと1/2のままなので注意(こちらの攻撃も1/2)。 ・坂本が戦闘不能になった際は攻撃対象は選択しなくてよい(君だけ)。なお攻撃2の戦闘不能者への攻撃分を他の者が受けたりする必要は無い。 [勝利!!](215) [敗北…](406) 215 **坂本「中岡ーーー!!!」** **中岡「くっ…ちいぃーー!!」** 坂本の必殺の気迫のこもった一撃を前に、中岡の体から黒いオーラ…ファウストが離れる! 今度こそ!と逃さず剣にありったけの魔法力を込めてそれを薙ぎ払う君だったが… ファウスト「ぐぉっ!…お、おのれぇ………」 浅かったようだ。 しかし倒すには至らなかったものの、このまま戦いを続けられる力は残っていなさそうだが… ファウスト「…ククク…なるほど…確かに貴様は強い…おそらく魔将軍とも勝負できる強さだろう………だがその強さゆえに、戦いにばかり目がいっているのではないか?」 なんだ?一体何を言っているんだ? **ファウスト「貴様は”我との戦い”には勝った。それは認めてやろう…だが”この戦い”に勝利したのは………我の方だ!!」** [一体何を…](216) 216 坂本「…えっ!?な、中岡…!?」 **倒れた中岡を介抱していた坂本の胸に、深々と突き刺さる刀…** **中岡「龍馬ぁ…」** **ファウストから解放されたはずの中岡が邪悪な笑みを浮かべる…** **君「なっなんだとおぉぉぉーーー!!!」** そんなバカな!!今、確かに奴が、ファウストが抜け出したじゃないか!! 一体なぜ!? ファウスト「バカめ、我は言ったぞ?その男の心の闇を突いた、と。であれば…あとは何もせずとも、こうなるのが自明の理であろうが!」 **中岡「龍馬…りょうま…りょう…ま?…あ…あ…あぁぁーー!!………お、俺は…おれはああああぁぁぁぁーーーー!!!!」** 返り血にまみれて絶叫する中岡… 坂本を殺した事で正気を取り戻しつつあるのか… [バ、バカなーー!!](217) 217 **君「うおおおぉぉぉーーー!!!」** 必死に坂本の回復・蘇生を試みるが… 正確に心臓を刺し貫かれている…どう考えても、助からん… **君「こんな…こんな………」** ファウスト「これが貴様の弱さよ。目の前の戦いの勝ち負けばかりに目がいき、大局も人の心の動きもまるで見えておらん。ただの殺し合いならいざ知らず、暗殺が目的ならば貴様ごときでは相手にならぬわ…では”龍”の者…坂本龍馬の命、確かに貰い受けた。さらばだ。」 **そう言うと、ファウスト…黒いオーラは闇へと溶け込んで消えていった…** **君「ちくしょおおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!」** [その頃…](500) 301 **新選組隊士「ぎゃあぁ~!…ドボン!!」** 新選組と言えば、幕末京都の警察のようなものである。 当然、悪の存在ではない。 ならばできれば傷付けたくはない… しかし己の正義のために日頃から鍛錬を重ねた屈強の剣士、生半可な腕では手加減どころかこちらの命が危うい。 君も剣の腕には自信があるつもりだったが… 1人ですら手強く、それが4人とあってはとても手加減のできる相手ではなかった。 **1人ずつ確実に仕留めて橋から落としていくのが精一杯であった。** 坂本「…助かったぜよ。」 あちらもうまく、坂本に押された土方が味方を巻き込んで倒れて隙を作ったようだ。 坂本「…こっちじゃ!!」 坂本に連れられてうまくその場を脱する事に成功したのだった。 [逃げろや逃げろ](5) 302 君「私は薩摩藩から依頼を受けて、君を”敵”の手から守るためにやってきた者だ。」 坂本「…そうか、西郷さんじゃな?護衛は息が詰まるからいらんっちゅうとるに…。まぁ今回は助かったしのぅ…おまさんも仕事じゃき、断られても困るじゃろうしな…よしわかった、じゃあよろしく頼むぜよ!」 …命を預かる身としてちょっと気が引けるが、嘘も方便という事で勘弁してもらおう。 [では戻ろうか](6) 303 天の龍の加護… その前に「異国の魔法を使う戦士」、「別次元の魔王とその復活をもくろむ魔物たち」… 一体どれからどう話せば理解してもらえるというのか? どう考えても無理だ。 表向きなんとか聞いてくれたとしても、疑念を抱かれて信頼を失うのは間違いない。 ここはやはりその身の護衛に集中するのが正解だろう。 坂本「…何か言いたそうじゃの。わしの護衛に付いた人らはみんなそうなるきに。すまんが…」 …仕方ない、護衛対象が自ら好き好んでその身を危険に晒す、というのは護衛する側としてはたまったものではないが、王族など要人の護衛というのはそういうものでもあるか。 あきらめて付いて行くしかない。 [仕方ない…大和屋へ向かうか](7) 304 大和屋は近江屋近くの酒屋だ。 坂本「おまさんは外で待っといてや。」 そう言うと坂本は暖簾をくぐっていった。 中で襲われる可能性もあるが、順当に考えれば外から襲われるのが普通だろう。 であれば、外で警戒に当たるのが正解なのは確かなのだが… どうにも少し釈然としない所はある。 まだまだ信頼を得られてはいないという事か。 そうこう考えてる間に坂本が早々に出てきた。 少し浮かない様子だが… 坂本「さ、帰ろうかの。」 用事はどうだったのか、そもそも済んだのか… 何もわからないが、帰るというのだからそれに付き従うまで、か。 [では戻ろうか](8) 305 **刺客1「ぐぎゃあっ!!」** **刺客2「ま、まて…うわぁっ!!」** 技術的には新選組に劣るものの、確固たる殺意をもって斬りかかってくる分手強い相手である。 そんな相手に手加減をする余裕など無い。 いや、あったとしてもそれで後ろから刺されてはかなわない。 **君は1人ずつ、冷徹に確実に息の根を止めて倒していった。** しかし坂本側はどうも相手を傷付けずに撃退したようで…すごい剣の腕前だ。 **主格の男「うっうわぁ!に、逃げろぉー!!」** **坂本「………なにも殺す事はなかったがじゃないがか?」** 言葉に怒気が込められている… 坂本はこの剣術が支配する国において、ほぼ最高の剣技を持つという。 実際、新選組の時も今回も、自分を殺すつもりのしかもかなり鍛えられている相手を、割と苦も無く傷付けずに撃退している。 だからといって、殺す気で襲ってくる相手をイチイチ無傷で逃がしていては命がいくつあっても足らない。天の龍の加護を受けているからこそ言える戯言ではないか?その加護も今日は無いのだ、こうして守ってやらなければ一体どうなる事やら… 君「いや、戦いにおいて”敵”は確実に倒さねばならん。そうでなければいつどんな反撃を受けるかわからんのだ。そしてそんな甘い事では、大切なものを守る事などできん。」 坂本「…!おんしゃぁ…じゃが人間はのぅ、生きてさえおればどうとでも変われるし、何にでもなれるんじゃ。それを………」 坂本には言葉では言い表せない想いがあるようだ。 それだけ、死んでいった者の無念を背負っているからこその不殺。 そしてそれこそが、色々な意味でこの男を支えているのだろう… しかし、ここで死んでしまったらそれこそ全てが無駄になる。 ここは心を鬼にして耐えてもらうしかない。 [近江屋へ](306) 306 尾けられていないか慎重に様子を見ながら、いろいろ遠回りしてやっと近江屋に到着した。 坂本「ふぅ…ちょいと近所に出かけるだけのハズが、随分大事になってしもうたのぅ。」 そう思うなら出かけずにおとなしくしておいてほしいものだが… 坂本「わしゃ、閉じこもっとると息が詰まってどうにも耐えられんきに…こりゃあ性分じゃき直らんぜよ。」 困った奴だ…しかしこういう部分を含めての”この男”なのだろうから、仕方が無いか。 中に入ると、体格はいいがまだどこか少年っぽさの残る若者が出迎えた。 若者「お帰りやす、坂本先生…そちらは?」 坂本「ただいま藤吉、こちらはな…えぇと…薩摩藩から遣わされたわしの護衛をしてくれる…」 **君「${相佐 理安|そうさ りあん}と申します。」** 藤吉「変わったお名前でんなぁ…お坊さんの家系かなんかでっか?」 君「…まぁ似たようなものです。」 坂本「こちら腕は確かでの、すでに何回か助けられたきに、信用してくれてええ。」 藤吉「わかりました、皆にもそう伝えます。」 そうして坂本は階段を上がって二階の部屋へと向かうが… 先程の意見の衝突で心の壁が出来てしまっているというか、どうにも一緒に行ける雰囲気ではない。 君「私はここでいい。」 君はそう言って階段の真下…入口側からは見えにくくこちらからは出入りする者を見る事が出来る位置にどっかりと腰掛けた。 剣を携え、瞑想さながらに目を閉じて、出入りする者を一瞥する… 気分はすっかり用心棒の先生だ。 実際こうやって魔力探知に集中した方が、本命の”魔”に対処しやすいだろう。 坂本「ほうか…まぁなんかあったら声を掛けちょくれ。」 [しばらくすると…](307) 307 時刻はすでに夕刻を過ぎて夜にかかろうという頃… **中岡慎太郎がやって来た。** 坂本龍馬と並ぶ攘夷志士で、特に先日の大政奉還では坂本に匹敵するほどの活躍を見せている。 それほどの大物であるからして”魔”に目を付けられる可能性は高く、ペンタウァ側でも注視している人物である。 中岡は君の事に気付いたようだったが… 中岡「おぅ、龍馬!…あれは?」 坂本「あぁ、薩摩藩から遣わされたわしの護衛での…」 それ以上の会話はよく聞き取れなかったが… まぁうまくごまかしてくれたんだろう。 何より今は護衛に集中するべきだ。 **”魔”は必ず来る。** その気配の察知に神経を研ぎ澄ませるのだ… **※十分な休息が取れたのでHP/MPが全快** [しかし今日は寒いな…](308) 308 坂本「峰吉ーー!!」 坂本にそう呼ばれて、ドタドタと階段を駆け上がっていったのは… 歳の頃十五ほどの少年。 峰吉「はい!なんでっしゃろ?」 坂本「${軍鶏|シャモ}買うてきてくれんか?」 峰吉「わかりました!」 しばらくして、一階の家人に頼んだ鍋と共に峰吉の買った軍鶏が部屋に運ばれていった。 [う、うまそう…](309) 309 実は腹が減ったところにいい香りがして困っていたので、運ばれていった軍鶏鍋の匂いを殊更に強く嗅いでいたところ… **微量、ほんのわずかだが魔力を感知した!** **これはおかしい!** 急いで階段を駆け上がり、ふすまを開いて目にした光景は… 鍋を囲んで倒れた坂本と中岡の二人の姿。 **君「…!!大丈夫か!!しっかりしろ!!」** 坂本「…うぅ…」 中岡「………」 **君「これは…毒か!!」** 様々な場所で様々な物を食料としてきた君の経験が、巧妙に隠された毒物の存在を嗅ぎ取った。 しかもごく微量ながら魔力も感じる… これは魔力で毒性を強化しつつ感知されにくくもされた、強力な魔法毒だ。 いかん!間に合うか!? [CUREが使える](310 "mCURE") [CUREが使えない](401) 310 **解毒魔法CUREをかける君…** **ダメだ、取り込んだ毒素が多くて解毒が追いつかない。** 坂本「…うっ…」 中岡「………」 **「…我が魔毒に気付いたか…だがすでに手遅れだ。」** 部屋の外で様子をうかがっていた、毒を入れた犯人が入って来た… **峰吉だ。** **といっても目は虚ろで、禍々しいオーラに包まれている…** 君「何者だ!!」 峰吉「ふっそのまま何も知らずに魔毒で死んだ方が幸せだぞ…」 …おかしい。 毒に含まれた魔力に気付くのが遅れたのはまだしも、こんな奴に憑りつかれているのを見逃すなんて…あれほど魔力探知の結界を張って神経を研ぎ澄ませていたというのに。 峰吉「バカめ…我が隠密魔力を、高位の魔導士ならいざ知らず貴様ごときただの魔法戦士に探知できるものか。」 隠密性に特化した魔力を持つだと? ではやはり貴様は… **峰吉「我が魔毒を見破った褒美に教えてやろう…我は影、我は闇、夜の影より滲み出て、人知れずその命を黒く染め、そしてまた闇に還る…我が名は”ファウスト”。魔将軍の命により”龍”の者…坂本龍馬、その命貰い受ける!」** このままではどのみち殺される。 イチかバチか、更なる状態回復魔法をかけてみるしかない! [REDUCE-LIFEが使える](311 "mREDUCE-LIFE") [REDUCE-LIFEが使えない](402) 311 **イチかバチか、リスクはあるが全状態回復魔法REDUCE-LIFEをかけた君…** **よし!なんとか毒素が致死量を下回って来たようだ。** 坂本「はぁ…はぁ…」 中岡「うっ…うぅ…」 **峰吉「…ほぅ、我が魔毒を解毒しきるとは…正直、侮っていたぞ。」** だがREDUCE-LIFEはその名の通り生命力を奪う。 2人とも毒での死は回避できたが大幅に体力を消耗している…しばらくは動く事も出来ないだろう。 そうこうしているうちに… **藤吉「ど、どないしはったんでっかー!?」** ドタドタと大きな音を立てて階段を駆け上がって入って来た藤吉が、峰吉の後ろに立った。 峰吉「………よし」 一瞬、何か考え付いたような間を開けてファウスト…その黒いオーラは峰吉から離れた。 峰吉「う…」 ドサリ、と倒れて小さくうめき声をあげる峰吉。 **藤吉「…へ?…うぐっ!」** **同時に当然のごとく藤吉に憑り付くファウスト。** これは… 同じ武器を持たないなら、体格に優れた方に乗り換える… それだけではない。 解放された峰吉が無事であるのを見せる事によって藤吉に手を出しにくくする… マズイ、坂本の性格をよく知られてしまってるようだ。 坂本「…み、峰吉…大丈夫か?」 峰吉「…えっ?な、なんやなんや!?どないなっとんのや!!」 状況がわからず、腰を地面に着けたまま後ずさりして藤吉から離れる峰吉。 藤吉「ふふふ…さて、どうする?」 ボキボキと指を鳴らしながらこちらににじり寄ってくる藤吉… **坂本「…い、いかんちゃ…藤吉も操られちょるだけじゃ…斬っちゃ…ならんぜよ…」** やはりそうなるか…どうする? [攻撃する](312) 312 こちらは3人、本来なら打つ手がないワケではないが… だが坂本と中岡の2人はまだ動ける状態ではない。 その2人を守りつつ、素手とはいえ身体能力を強化された敵を傷付けずに無力化するなど…どう考えても無理だ。 君はゆっくりと剣を構える。 坂本「…や、やめるんじゃ…」 君は顔を半分だけ坂本の方に向け、左右に小さく首を振る… 坂本「くっ…!」 坂本も現状を理解してくれてはいるようだが… 藤吉「本当に殺せるかな?そら!はっ!」 力士である藤吉が使うはずのないパンチやキックが、ものすごい勢いで繰り出される。 だがさすがに剣を構えた君に対してはあまり思い切っては踏み込めないようで、攻撃が甘い。 おかげで君は奴の攻撃を容易にいなしてはいるが…これでは埒が明かない。 **覚悟を決めてやるしかないか。** 藤吉「ははは、やはり殺すのをためらっているな?攻撃が甘いぞ!!」 君が攻撃できないと思った奴は、懐へ潜り込むべく迂闊に間合いを詰めようとした… **そこに君は全神経を集中し、奴の腹部の急所を避けて剣を突き立てた!** 藤吉「な、なにぃ!?…ま、まさか本当に…」 君が剣を引き抜くと、藤吉はドサリとその場に倒れた。 [HEALが使える](313 "mHEAL") [HEALが使えない](403) 313 **坂本「と、藤吉いいいぃぃぃーーー!!!」** 藤吉「…あ…あれ?…ワ…ワイは…一体…どうして………」 **君「しゃべるな!まだ助かるハズだ!」** **回復魔法HEALで傷を塞ぐ君…** うまく内臓を傷付けていなければ… ………出血が止まった。どうやらうまくいったようだ。 しかしこれで藤吉から離れる隙を突いて奴を攻撃する機は逃した。 奴はどこに… **ハッとした君の後ろに邪悪な気配!** **それは今しがたの峰吉・藤吉から感じたものよりはるかに強い!** 中岡「…りょ、龍馬?」 **そこには先程まで青息吐息だったハズの坂本が、ドス黒いオーラを発しながら立っていた。** 坂本「…やるな。その者の命を死と紙一重の危険に晒してまで、我を引き離すとは。だが…不運な事にそれがこの男の心の闇を引き出した。親しき者を傷付けられた怒りに任せて、善も悪も無く目の前の全てを破壊してしまおうという激情を。それが無ければ、如何に我といえど”龍”の者に憑り付く事など出来なかったものを…」 [クソッ!なんてこった…](314) 314 しかし坂本の表情は苦痛に歪んでおり、奴に抵抗しているように見える…今までのように完全に操られているワケではなさそうだ。そうでないならとうに自殺をさせて目的を達しているだろうし、ここから逃げおおせる事も出来たハズだ。 **君「坂本!君には天命があるんだろう!この国を守り、世界の国々と戦うんじゃなかったのか!!それがこんな事でどうする!しっかりするんだ!!」** 坂本「無駄だ。すでにこの者の心には闇が入り込み、その隙間から我が掌握した…貴様への怒りのおかげでな。」 **君「まだだ!まだ坂本は戦っている!貴様が目的である坂本を殺せていないのが何よりの証拠だ!!ならば、今のうちに貴様を追い出してやる!!」** 坂本「そんな事ができるかな?」 %red%**★Now your enemy is appeared !! Please open the battle sheet …★**%/% %blue%**★坂本(憑依)攻撃詳細★**%/% **●攻撃1:暗黒オーラソード** 暗黒闘気をまとった刀による攻撃。通常の斬撃に比べて…破壊力増大/範囲拡大/透過攻撃(防具や受けた武器を通してダメージを与える)などの効果がある。 ※通常攻撃にしては威力が高い。 **●攻撃2:暗黒オーラシュート** 暗黒闘気を圧縮した銃弾をリボルバーで撃ち出す攻撃。物理的威力は実弾に比べ低いが精神にダメージを与える。 ※1発当たりの威力は低いが、最大で6発当たるのでそうなると非常に痛い。 **●攻撃3:暗黒オーラ斬り** 剣先から放たれた暗黒闘気で相手をとらえて一刀のもとに斬り捨てる必殺の攻撃。肉体と精神双方に大きなダメージを与える。 ※HPMP両方への攻撃。必殺と言うほどではないが喰らえばどちらか低い方にはリーチがかかるだろう。防御か魔法を使うべき。 %blue%**★通常通りでない魔法の効果★**%/% **・PROTECT** 攻撃1と攻撃3(HPMP両方)のダメージを1/2にする。※効果は1ターンのみ。 **・HOLY-WATER** 攻撃2と攻撃3(HPMP両方)のダメージを1/2にする。※効果は1ターンのみ。 **・各攻撃魔法** どの攻撃魔法であっても攻撃1・2・3をどれでも相殺できる(ダメージを受けない)が、反撃の攻撃力は1/2とする。 %blue%**★その他詳細★**%/% ・魔法の使用回数とタイミングは自由でいつ何回でも使用可(欠片があれば)。 ・防御の選択タイミングは自由。ダメージを受ける=式をクリックする直前でもよい。ただし戻さないと1/2のままなので注意。 [勝利!!](315) [敗北…](406) 315 君「…はぁはぁ…くっ…さ、坂本…」 君としては目一杯まで戦ったつもりだが、まだ奴は坂本から離れる気配がない。 坂本「ええぃっ…このっ…無駄なあがきを…」 しかし坂本の抵抗も続いているようで、奴も自由が効かずかなりまいってはきているようだ。 そもそも、もし先の2人のように坂本の力が100%以上に引き出されていたら、君はとうに生きてはいまい。 しかしこのままダメージを与え続ければ、死なずとも弱って奴に支配されてしまうだろう…どうにかして奴を追い出さなければ… **こうなったらイチかバチか、坂本の中にいる奴を魔法で攻撃するしかない。** **肉体でなく霊体を攻撃するあの魔法で…** [LIGHT-CROSSが使える](316 "mLIGHT-CROSS") [LIGHT-CROSSが使えない](404) 316 **君はLIGHT-CROSSを唱えた!** **無数の聖なる光の十字架が、坂本に突き刺さる!!** **坂本「な、なにぃ!?き、貴様ぁーーー!!!」** LIGHT-CROSSは邪悪な霊体であるファウストに確実にダメージを与えるだろう…しかし普通の人間にも当然霊体はある。 奴と共にLIGHT-CROSSを受けた坂本の霊体が無事で済むかどうかは、坂本自身の霊力と受けている加護の強さによる。 君はその強さに賭けたのだ。 **坂本「う、うおおおぉぉぉーーー!!!」** 断末魔と共に倒れた坂本…果たして結果は… 君が近付くと…ピクリと動きゆっくりと起き上がる坂本…無事だったか! 起き上がった無表情の坂本の顔が、僅かに精気を取り戻し… **邪悪な笑みを浮かべた!!** 坂本「…ふふふ…ま、まさか我と此奴を諸共に攻撃してこようとは、な…こうなってはもう此奴を操る事も貴様を倒す事もかなわぬ…見事だ…貴様の自らと此奴の命双方を賭した覚悟が、我をここまで追い詰めた…であれば、我もこの命を使おう!**残された力の全てをもって、”龍”の者だけは連れていく!!**」 [や、やめろーー!!](317) 317 **君「やっやめろおぉぉぉーーー!!!」** そう叫んだところで、すでに君にはどうする事も出来ない。 **ファウスト「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!」** 坂本から滲み出た黒いオーラが、全身をからめとるように…”何か”を包みながらゆっくりと、その肉体だけを残して漆黒の空へと昇っていく… **ファウスト「ま、魔将軍よーー!!あ、後は頼みましたぞーーー!!!」** 奴の断末魔と共に、最後のオーラが抜けきった坂本の体は、抜け殻となって力なく倒れた… **君「こんな…こんな………」** 必死に坂本に駆け寄る君だが… すでに魂が抜けきっている…どう見ても、死んでいる… **君「ちくしょおおおおおぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!」** [その頃…](500) 401 まさか”魔”の者が直接ではなく、間接的な手段で殺しに来るとは… 完全に虚を突かれた。 いや、想定が甘かったと認めざるを得ない… 君は苦しみ悶える坂本と中岡を、絶命するまでただ呆然と眺め続ける以外、どうする事も出来なかった… **「ははははは…”龍”の者、坂本龍馬…その命、確かに貰い受けた。」** 毒を入れた犯人…峰吉から湧き出た黒いオーラは、そう言うと夜の空の闇に消えていった… 402 君はCUREの重ね掛けを試みたが二人の状態は良くならず… くそっ!まさか”魔”の者が直接ではなく、間接的な手段で殺しに来るとは… 完全に虚を突かれた。 いや、想定が甘かったと認めざるを得ない… そして君は苦しみ悶える坂本と中岡を、絶命するまでただ呆然と眺め続ける以外、どうする事も出来なかった… **「ははははは…”龍”の者、坂本龍馬…その命、確かに貰い受けた。」** ファウストはそう言うと夜の空の闇に消えていった… 403 **坂本「と、藤吉いいいぃぃぃーーー!!!」** 藤吉「…あ…あれ?…ワ…ワイは…一体…どうして………」 **君「しゃべるな!まだ…助かるハズだ!」** 救急医療キットでなんとか傷を塞ごうとする君だが…腹部を貫いただけあって出血量が多い。やはりこれでは… 藤吉「さ…坂本…先…生………すんま…へん…」 …ダメか。 **坂本「とおきちいいいいいぃぃぃぃぃーーーーー!!!!!」** **その絶叫と共に信じられないほどの邪悪でドス黒いオーラが坂本の全身から吹きあがる!!** **ま、まさか!?** 坂本「ふふふ…ははははは!これは嬉しい誤算だ!何とか心の隙を突いて操る程度のつもりが、これほど完全に暗黒面に堕ちるとは。天の加護から堕天せし”龍”の者…最強の暗黒龍剣士の誕生だ!!」 クソッ!なんてこった… 坂本「ククク…そうだな、貴様への礼も兼ねて此奴の力を試してみるとしようか。」 そう言って抜いた刀を両手で大上段に、天に向かってまっすぐに構える。 そして…奴の体から立ち昇る莫大なオーラが刀に集まっていく… **それは、もはや剣と呼べるシロモノではなかった…** **巨大で真っ黒な1本の塔…** **振り降ろされたそれが、君の見た最後の光景となった…** 404 LIGHT-CROSS以外に霊体を攻撃する手段は無い。 まさか炎や氷で坂本を攻撃するワケにはいかない…どうする? 坂本「ふふふ…貴様が痛めつけてくれたおかげで、随分とおとなしくなってきたようだぞ…」 みるみるうちに坂本が無表情となり、それに伴って体から噴き出すオーラの邪悪さが増し、奴も精気に満ち溢れてきたようだ…クソッ!! 坂本「…ふむ、だいぶ掌握できたが此奴の力、かなりのものだぞ?…では貴様には礼も兼ねて、此奴の力を試しに受けてもらうとしようか…ククク。」 そう言って手にした刀を両手で大上段に、天に向かってまっすぐに構える。 そして…奴の体から立ち昇る莫大なオーラが刀に集まっていく… **それは、もはや剣と呼べるシロモノではなかった…** **巨大で真っ黒な1本の塔…** **振り降ろされたそれが、君の見た最後の光景となった…** 405 残念ながら… この程度の敵に負けるようでは、君には**「このシナリオを戦う資格が無い」**と言わざるを得ない。 **「キャラを作り直す」**か、**「他のシナリオに戻って実績取得率を上げてパラメータを強化」**して出直してきたまえ。 なおすでにおわかりになったではあろうが、このシナリオでは剣術での戦いが重要となるので、上げるべきパラメータは… **STR(力)とDEX(技)である。** 406 おお ${name}! しんでしまうとは なさけない…。 そなたに もういちど きかいを あたえよう。 てきのこうげきが きょうりょくなばあいは ぼうぎょ することもたいせつじゃぞ? まほう はおしんではならぬ。 らすぼす なのじゃから どんどんつかうのじゃ! つよさ がたりないとおもったならば **ほかのしなりお でじっせきをえて きょうか**を まほう がたりないならば **くろふねらいこう で かけら をかせいでくる**か **このしなりおを はじめてすぐに げーむおーばーになる** をくりかえして さいしょにもらえる かけら をかせいでもよいぞ。 ふたたび このようなことが ないようにな。 では ゆけ! ${name}よ! 500 **…同刻 ―土佐 坂本家―** 乙女(龍馬の姉)「…そうじゃ!今日は龍馬の誕生日じゃった!思い出すのぅ、龍馬の生まれた日を。私は星に願ったんじゃ、強く・大きく・立派な事を成す男にしてくれと。」 外に出て空を見上げる乙女… 満天の星空に、大きな流れ星が一つ… 不思議な事に、天に昇るように流れていく… 乙女「おぉ!確かあの日もそうじゃった!私の願いに応えるかのように大きな流れ星が、こんな風に………龍馬ーーー!!!おまん今どこでなにをしとるがじゃーーー!!!はよう帰ってこーーーい!!!」 **あの日、天から龍の馬に乗りて地に遣わされし男、坂本龍馬…** **今、その役目を終えて再び天の龍に抱かれて星へと還るのか…** **あぁ、龍が逝く…** 1001 **幕末ソーサリアンのステータス強化ルール** **ステータスの強化ポイントについて** 「幕末シナリオ1本の実績取得率10%ごと」に 「対象のパラメータ1つ」を+1強化することができる ※幕末シナリオ1本につき、パラメータを合計+10強化可能 ※強化ポイントを割り振ることのできるパラメータは、 「STR、INT、DEX、KRM」の4項目のみ ※割り振り例)幕末シナリオAの実績取得率100%の場合、 STR+5、INT+1、DEX+3、KRM+1 幕末シナリオBの実績取得率50%の場合、 STR+1、INT+1、DEX+2、KRM+1 **ステータスを強化できるタイミング** 「次にプレイする幕末シナリオを開始してScene 1を開いている間」のみ **強化ポイントの振り直しができるタイミング** 幕末シナリオの最終章をhappyでクリアすると、 これまでの強化ポイントを振り直すことができる ※ただし、「最終章をhappyでクリアする毎に1度だけ」 1004 %blue%**★このシナリオにおける基本戦闘ルール★**%/% 基本ルールと特に変わりは無い。 ダイスを振り、計算式をクリックしてダメージを受け、生き残ったならば勝ちとしてその敵は撃破、そして次の敵へ。 どの敵から戦ってもよいし、残っている敵も待機しているものとして、選択した敵と戦ってる最中は無視して構わない。 プレイヤーのHP/MPのどちらかが0以下になった場合は死亡・敗北となる。 一つ重要な点としては… %red%**※原則、魔法の使用は禁止とする(※回復系は除く)。**%/% これは幕末の日本で、いくら見た目が日本人に見えていても魔法など使ってしまっては、あっという間に魑魅魍魎と認定されてしまうからだ。 ただし回復系であれば、見た目にはわかりにくいし「体力や根性がある」で済むので使用してもよい。 1114 %blue%**★ラストバトルファウスト戦ルール★**%/% 君/坂本/中岡の3人でファウストと戦う。 坂本/中岡のHPはFREE1=坂本/FREE2=中岡でともに100。 **坂本/中岡への攻撃はそれぞれ名前の書かれた式をクリック。** 坂本/中岡のHPは回復できず0以下になった場合は戦闘不能として攻撃対象から外し、反撃への参加も不可。 %blue%**●戦闘手順**%/% 1:ファウストの攻撃をダイスの合計値で決定。 **・2~6→攻撃1 ・7~8→攻撃2 ・9~12→攻撃3** 2:攻撃1の場合は次にダイスで攻撃対象を決定(攻撃選択と同様に**2~6→君、7~8→坂本、9~12→中岡**)、さらにダイスでダメージを決定し**攻撃対象者の式のみをクリック**。 3:攻撃2の場合は次のダイスでダメージを決定し**3人全ての式をクリック**。 4:攻撃3の場合は次のダイスでダメージを決定し式をクリックするだけだが**(君のみダメージ)**、坂本と中岡は反撃に参加不可。 5:ファウスト側の攻撃が終わったらこちらの**反撃可能な人数分「ダイス→HPクリック」**を行う。 6:1へ戻る。※これを1ターンとする。 これを繰り返しファウストのHPが0になったら勝利。 その前に君のHP/MPのどちらかが0になった場合は死亡・敗北。 %red%**※それぞれ個別に攻撃を受ける際に「防御」が可能(ダメージを1/2)。ただし防御した者は反撃への参加不可。** **※魔法の効果やその他詳細は本文の方に記載。**%/% 1214 %blue%**★ラストバトル中岡(憑依)戦ルール★**%/% 君/坂本の2人で中岡(憑依)と戦う。 坂本のHPはFREE1で100。 **坂本への攻撃は名前の書かれた式をクリック。** 坂本のHPは回復できず0以下になった場合は戦闘不能として攻撃対象から外し、反撃への参加も不可。 %blue%**●戦闘手順**%/% 1:中岡(憑依)の攻撃をダイスの合計値で決定。 **・2~6→攻撃1 ・7~8→攻撃2 ・9~12→攻撃3** 2:攻撃1の場合は次にダイスで攻撃対象を決定(攻撃選択と同様に**2~7→君、8~12→坂本**)、さらにダイスでダメージを決定し**攻撃対象者の式のみをクリック**。 3:攻撃2の場合は次のダイスでダメージを決定し**2人両方の式をクリック**。※この攻撃を受けた者は反撃の攻撃力を1/2する事。 4:攻撃3の場合は攻撃1同様に攻撃対象を決定後… **"回避"か"受けて立つ"かを選択。** **"回避"の場合**はダイスを振ってその合計が… ・**奇数なら回避成功**、ダメージを受けず反撃に参加 ・**偶数なら回避失敗**、強制防御(1/2で式をクリック)で反撃不可 **"受けて立つ"場合**もダイスを振り… ・**ゾロ目**なら攻撃を捌いてダメージを受けず、反撃の攻撃力を×2 ・**それ以外**は式をクリックしてダメージを受けるが、反撃は×2 ※防御してもよいがその場合は反撃参加不可 ※反撃×2は受けて立った当人のみ 5:中岡(憑依)側の攻撃が終わったらこちらの**反撃可能な人数分「ダイス→HPクリック」**を行う。 6:1へ戻る。※これを1ターンとする。 これを繰り返し中岡(憑依)のHPが0になったら勝利。 その前に君のHP/MPのどちらかが0になった場合は死亡・敗北。 %red%**※それぞれ個別に攻撃を受ける際に「防御」が可能(ダメージを1/2)。ただし防御した者は反撃への参加不可。** **※魔法の効果やその他詳細は本文の方に記載。**%/% 1314 %blue%**★ラストバトル坂本(憑依)戦ルール★**%/% %blue%**●戦闘手順**%/% 1:坂本(憑依)の攻撃をダイスの合計値で決定。 **・2~6→攻撃1 ・7~9→攻撃2 ・10~12→攻撃3** 2:攻撃1の場合、次にダイスでダメージを決定し**式をクリック**。 3:攻撃2の場合、次のダイスで攻撃のHIT数を決定する。 **左ダイスがHIT数**となるので、そのまま**その数だけ式をクリック**。 4:攻撃3の場合、次にダイスでダメージを決定し**式をクリック**。 5:坂本(憑依)側の攻撃後にこちらの反撃として**「ダイス→HPクリック」**を行うが、防御したのなら攻撃を1/2にする事。 6:1へ戻る。※これを1ターンとする。 ※なおどの場合でもダイスを振った際に**ゾロ目**が出たなら「坂本の抵抗により動きが止まった」ものとして、**即座に(ダイスを振らずに)「攻撃(HPクリック)」へ移行**してターンの最初(攻撃選択)へ戻ってよい。 これを繰り返し坂本(憑依)のHPが0になったら勝利。 その前に君のHP/MPのどちらかが0になった場合は死亡・敗北。 %red%**※それぞれ個別に攻撃を受ける際に「防御」が可能(ダメージを1/2)。ただし防御した場合は反撃の攻撃を1/2にする事。** **※魔法の効果やその他詳細は本文の方に記載。**%/%