SGML(Sorcerian Gamebook Markup Language) Initialized...
Presented By SORCERIAN Next team.
シェア
Tweet
2017-2020, SORCERIAN Next Team
0 *** プロローグ *** 王は言った。 「かの地に武器を持ち込んではならぬ」と。 君は耳を疑った。 王から与えられた使命は、ペンタウァの北方にあるレムス山の洞窟で復活したといわれるアイスドラゴンを倒すことだ。 アイスドラゴンは北部の穀倉地帯に大寒波をもたらしている。 穀物が芽吹く春が訪れる前にこの災厄を退けないと、国全体に深刻な飢饉が広がるだろう。 早急に装備を整える必要があるはずだが・・・。 「アイスドラゴンは、おそらくはキングドラゴンの邪な力で復活したのじゃろう。 しかしな、レムス山のアイスドラゴンは、もともと永く人間と共存してきた中立の竜じゃ。 人との接触を避け、山頂付近に潜んでいたのじゃ。 余は無駄な争いをしたくない。 誉れ高き勇者よ、そなたはドラゴンに元の棲み処へ帰るよう、説得するのじゃ」 なんと、王は交渉によってドラゴンを退けよというのだ。 前代未聞の冒険が始まった。 [冒険に出発する](11) 2 ここはペンタウァである。 ヴィーグは言った。 「ご主人様、レムスは過酷な地です。よく準備してから向かうべきでしょう」 ![町](town.png) [魔法学院に行く](3) [城に行く](5) [大魔法使いエティスに会いに行く](4 "oFreeIII2-") [大魔法使いエティスに会いに行く](20 "oFreeIII1+,oFreeIII3-) [大魔法使いエティスに会いに行く](4 "oFreeIII2+") [レムス山に出発する](6 "oFreeIII1-") [レムス山に出発する](16 "oFreeIII2-,oFreeIII0+") [レムス山に出発する](23 "oFreeIII3-,oFreeIII1+") [レムス山に出発する](27 "oFreeIII2+") 3 君は魔法学院にいる。 ここではエルフの司書が応対してくれる。 「何を知りたいの?」 ![魔法学院](elf.png) [アイスドラゴンについて知りたい](7) [レムス山について知りたい](8) [ペトス神について知りたい](9 "f01") [ペトスの祭礼について知りたい](10 "f06") [過去のキングドラゴンとの戦いについて知りたい](19 "f02") [魔法学院を出る](2) 4 エティスは王城の中に執務室を持っている。 ただ、ヴィーグは行かないという。奴隷身分の者は王城には近づく事ができないそうだ。 君はエティスの執務室を訪れたが、彼は留守だった。 君は王城の侍従に話を聞いてみた。 「エティス様は最近忙しく、2か月に一度しか町に戻られません」 ペンタウァの各地に現れるモンスターとの戦いに追われているようである。 [町に戻る](2) 5 君は城の王に謁見した。 ヴィーグは王城に入ろうとしなかった。奴隷身分の者は王城に入れないのだ。 王は言った。 「誉れ高き勇者よ。じゅうぶんな経験を積んでから来るのじゃ」 ![謁見室](king.png) [『戦利品』について尋ねる](21 "f04&(-f09)") [『ペトスの祭礼』について尋ねる](26 "f07&(-f08)") [城を出る](2) 6 レムス山はペンタウァの北方に位置する雪山である。 山の中腹には洞窟があり、そこにアイスドラゴンが棲んでいるという。 君はヴィーグの案内で氷で覆われた洞窟に入っていく。 洞窟は迷路のように入り組んでいた。 ただ、一度もモンスターには遭遇しない。 君は、ヴィーグにここには危険は無いのかと尋ねた。 ヴィーグは言った。 「ドラゴノイドの先祖はドラゴンです。ドラゴンに戦いを挑むモンスターなどいませんよ」 迷路の先には大きなホールがあった。 ヴィーグによると、ここにアイスドラゴンは棲むという。 ヴィーグが中の様子をうかがった。 「アイスドラゴンは眠っています」 君はヴィーグと共にホールに入った。 そこに、全身が真っ白の巨大な竜がいた。 これがアイスドラゴンだ。 眠っている竜は目を閉じているが、そのたたずまいに隙はない。 これを、『畏怖』と呼ぶのだろう。 君はその気高い美しさにしばし見とれた。 アイスドラゴンは巨大なホールの中心で、両腕両足をたたみ、寝そべっている。 ヴィーグは言った。 「目を覚ました直後のアイスドラゴンは空腹で危険です。ご主人様、どうしましょうか」 [周囲を探索する](12) [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](15) 7 エルフの司書は、アイスドラゴンについての書物を紹介してくれた。 その分厚い羊皮紙の本には以下のように書かれていた。 アイスドラゴン——白竜の亜種。 氷に閉ざされた山の山頂や、洞窟の中で暮らし、人の目に触れることは少ない。 飛翔が得意で、攻撃は上空から氷のブレスを放つ事が多い。 そのブレスはどんなものでも凍結する力を持つ。 アイスドラゴンは体力温存の為、眠っていることが多い。 ただ、油断してはならない。眠っていても五感は研ぎ澄まされており、簡単に攻撃を受けることはない。 [君は本を閉じた](3) 8 エルフの司書は、レムス山についての書物を紹介してくれた。 その分厚い羊皮紙の本には以下のように書かれていた。 レムス山はペンタウァの北方の連山のひとつである。 地元の住民は神の棲む山として昔から信仰の対象としてきた。 その信仰は古く、強固なものであった。 かつてのペンタウァの王は、ここを支配する条件としてその信仰の自由を認めるという条件を出さざるを得なかったという。 レムスの麓には豊かな穀倉地帯が広がり、現在ではペンタウァ全土に食糧を供給する重要な地域となっている。 [君は本を閉じた](3) 9 エルフの司書は、ペトス神についての書物を紹介してくれた。 その分厚い羊皮紙の本には以下のように書かれていた。 ペトス神、人々の生活に欠かすことにできない『火』をもたらしたとされる神である。 伝説では、ペトス神が育てた聖なる木から取れる『炎の種』が下賜され、人々は火を使うようになったという。 現在でも、ペトス神は火と炉の神として信仰を集めている。 [君は本を閉じた](3) 10 エルフの司書は、ペトスの祭礼についての書物を紹介してくれた。 そこには驚くべきことか書かれていた。 レムス山の洞窟は、もともと鍛冶の神ペトスを祭る神殿だったのだ。 おそらくその名残が、あの祭壇なのだろう。 その祭礼は以下の伝説に基づく。 ・人間の生活に欠かせない炎と鉄は、ペトス神によって人類にもたらされた。 ・年に一度の祭礼は、その恵みへの感謝と炎と鉄を正しく使う事への決意の意味がある。 ・レムス山を守護するのは、『竜の使徒』である。 ・『竜の使徒』は普段は人前に姿を見せないが、人が神を裏切ると現れる。 毎年の祭礼は現在は行われていない・・・。 そして、アイスドラゴンが復活した・・・。 これはどういう事なのだろうか。 [君は本を閉じた](3) 11 君には武器の代わりにドラゴノイドと呼ばれる獣奴隷を与えられた。 過去の戦争で捕虜となったモンスターだという。 なぜこのような獣奴隷を与えられたのか・・・その答えはすぐに分かった。 彼はドラゴンの言葉が話せるのだ。 つまり、通訳である。 「ご主人様、私はドラゴノイドのヴィーグでございます。何なりとご指示を」 少し訛りはあるものの、ヴィーグの人語の発音はとても良かった。 ヴィーグは大柄な人ぐらいの背格好をしており、革の鎧を纏っていた。 頭には兜をかぶっていたが、そこからのぞいているのは爬虫類の顔である。 ただ、リザードマンと大きく違うのは背中に大きな翼がある事だ。 「ご主人様、王様よりこれを預かってきました」 ヴィーグは君に小さな革袋を差し出した。 そこには多くの七惑星の欠片が入っていた。(全ての星が+4された) 「ご主人様、レムスまで往復するとひと月はかかります。 4か月もすれば春になってしまいますので、レムスを往復できるのは4回までです。それまでに問題を解決しなければなりません」 *** レムス山に登山した回数は、Free3欄に表示されます。回数に注意しながら冒険を進めてください。*** [町へ出る](2) 12 君はアイスドラゴンの後ろに祭壇があるのを見つけた。 ヴィーグは言った。 「これは『ペトスの祭壇』です。かつては祭礼に使われていたようですが・・・」 確かに、祭壇は汚れており、氷が張っていてもう何年も人の手が入った様子はない。 [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](15) 13 君は呪文を唱え始めた。 ヴィーグは叫んだ。 「ご、ご主人様! あなたの使命は交渉ですよ!」 しかしもう遅い。このチャンスにアイスドラゴンを倒すのだ。 呪文の詠唱は完了し、魔法の効果がアイスドラゴンを襲う・・・はずだった。 君は目を疑った。 君が呪文を唱え終える寸前、アイスドラゴンは空中に飛び上がったのだ。 アイスドラゴンは空中で旋回し、口から氷のブレスを吐いた。 氷点下のブレスを浴び、君は一瞬にして氷の石像と化した。 君は交渉を自らの手で決裂させてしまったのだ・・・ 14 君は呪文を唱え始めた。 ヴィーグは叫んだ。 「ご、ご主人様! あなたの使命は交渉ですよ!」 しかしもう遅い。このチャンスにアイスドラゴンを倒すのだ。 呪文の詠唱は完了し、魔法の効果がアイスドラゴンを襲う・・・はずだった。 君は目を疑った。 君が呪文を唱え終える寸前、アイスドラゴンは空中に飛び上がったのだ。 アイスドラゴンは空中で旋回し、口から氷のブレスを吐いた。 氷点下のブレスを浴び、君は一瞬にして氷の石像と化した。 君は交渉を自らの手で決裂させてしまったのだ・・・ 15 アイスドラゴンは眠ったままだ。 君はペンタウァに戻り、出直すことにした。 ヴィーグは言った。 「賢明な判断です。 アイスドラゴンは眠り始めると1か月ほど目覚めない事があります。 もちろん触れたり騒音を立てれば起きると思いますが、怒りを買ってしまい交渉どころではないでしょう」 [君はペンタウァに帰還した](2) 16 君とヴィーグは再びレムス山へやってきた。 ヴィーグの案内で氷で覆われた洞窟に入っていく。 迷路の先にアイスドラゴンの棲む大きなホールがあった。 ヴィーグがホールの中に入り、ほどなくして戻ってきた。 ヴィーグは言った。 「アイスドラゴンは目を覚ましています」 君はヴィーグと共にホールに入った。 アイスドラゴンは巨大なホールの中心で、両腕両足をたたみ、寝そべっている。 君に気づくと長い首を上げ、鋭い眼光を向けた。 ![ICE Dragon](ice-dragon.png) [「キングドラゴンの邪な力はいずれ滅びる」と警告する](17) [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](18) 17 君は、『お前がキングドラゴンに支配され続ければ、邪神と共に滅びる運命にある』と伝えた。 ヴィーグが君の言葉の内容をアイスドラゴンに伝えた途端、アイスドラゴンは上半身を起こし、吠えた。 君は身構えたが、ヴィーグは落ち着いている。 「大丈夫です、ご主人様。話を聞いてみます」 ヴィーグはアイスドラゴンに近づき、二言三言、言葉を交わした。 戻ってきたヴィーグは言った。 「アイスドラゴンは『自分はキングドラゴンに支配されていない』と言っております。 つまり・・・自らの意思でここにやってきたという事でしょう。 また、『ドラゴンが人に滅ぼされることはない』とも・・・。 人がドラゴンを倒した英雄譚も数多くあるはずですが、信じていないのか、本当に知らないのか・・・。 何か証拠が必要かもしれません。 アイスドラゴンは侮辱されたと怒っており、これ以上話を続けるのは危険です」 [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](18) 18 これ以上の交渉は無駄だ。 君はペンタウァに戻り、出直すことにした。 [君はペンタウァに帰還した](2) 19 エルフの司書は、過去にあったキングドラゴンの災厄についての書物を紹介してくれた。 その分厚い羊皮紙の本には以下のように書かれていた。 キングドラゴンは過去に何度も現れ、この地に災厄をもたらしている。 人類はキングドラゴンとの戦いで、多くの血を流してきた。 何百、何千という人々の屍を乗り越え、勇者はキングドラゴンを倒した。 勇者の手には、聖剣ドラゴンスレイヤーがあったという。 勇者は、キングドラゴンを倒した証拠を王に献上した。 今でも戦利品は王の宝物庫に眠っているだろう。 [君は本を閉じた](3) 20 エティスは王城の中に執務室を持っている。 ただ、ヴィーグは行かないという。奴隷身分の者は王城には近づく事ができないそうだ。 エティスは宮殿の執務室にいた。 君は、エティスにこれまでのいきさつを話した。 「交渉の最終目標は相手との約束を取り付けることじゃ。 約束は、お互いに得になる部分と損になる部分のバランスが取れている必要がある。 そうでなければ、どちらかに不満が残り、約束は履行されない。 そして何より大事なのは、信頼関係じゃ。 まずは、アイスドラゴンに『何のためにここに来たのか』を訊いてみるがよかろう」 君はエティスに礼を言い、執務室の出口に向かう。 そんな君にエティスは声をかけた。「一つ忠告がある」 君は足を止めた。 「信頼関係を築こうとするあまり、心を近づけすぎてはならぬ。 相手は人知を超えた種族。 精神を深くえぐられ、心底まで魅了されてしまう危険がある。 過去には吸血鬼の姫に魅了され、彼らに同化してしまった勇者がおった。 その姫の名じゃと? 確かラブラディーネといったかの・・」 [町に戻る](2) 21 君は王に過去のキングドラゴンとの闘いについて尋ねた。 王は言った。 「かつて勇者たちは果敢にキングドラゴンに立ち向かったのじゃ。 確かに、そのときの戦利品はある」 王は侍従官に指示し、宝物殿から大きな包みを持ち出させた。 その中には『竜の鱗』が入っていた。 「誉れ高き勇者よ、これを破壊するところをアイスドラゴンに見せれば、奴の心は動くかもしれぬな。 じゃが気を付けるがよい。『竜の鱗』は聖剣ドラゴンスレイヤーか、それに匹敵する魔法でしか破壊することはできぬ」 君は、ドラゴンスレイヤーはどこにあるか尋ねてみた。 王は困惑した表情で言った。 「最近、ロマンシアの姫が使っていたという噂を聞いたがのう・・」 [城を出る](2) 22 君は、『なぜここに来たのか。なぜ人との軋轢を生むのか』と伝えた。 ヴィーグが君の言葉の内容をアイスドラゴンに伝えた途端、アイスドラゴンは上半身を起こし、吠えた。 君は身構えたが、ヴィーグは落ち着いている。 「大丈夫です、ご主人様。話を聞いてみます」 ヴィーグは言った。 「アイスドラゴンは、『人間が約束を破ったからだ』と言っております。 『祭礼を忘れたとは言わせぬぞ』とも・・・」 [『竜の鱗』を破壊してみせる](24 "i01") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](18) 23 君とヴィーグは再びレムス山へやってきた。 ヴィーグの案内で氷で覆われた洞窟に入っていく。 迷路の先にアイスドラゴンの棲む大きなホールがあった。 ヴィーグがホールの中に入り、ほどなくして戻ってきた。 ヴィーグは言った。 「アイスドラゴンは目を覚ましています」 君はヴィーグと共にホールに入った。 アイスドラゴンは巨大なホールの中心で、両腕両足をたたみ、寝そべっている。 君に気づくと長い首を上げ、鋭い眼光を向けた。 [「なぜここに来たのか」と尋ねる](22 "f05") [『竜の鱗』を破壊してみせる](24 "i01") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](18) 24 「アイスドラゴンよ、人間を侮らない方がよいぞ。 これが、お前たちの運命だ」 ヴィーグは言った。 「ご主人様、交渉カードは効果的に使うべきですよ」 [NOILA-TEMで破壊する](25 "mNOILA-TEM") [「なぜここに来たのか」と尋ねる](22 "f05,-f06") [ペンタウァに帰る](18) 25 君は『竜の鱗』を投げ捨て、NOILA-TEMを唱えた。 魔法の光線は『竜の鱗』を粉砕した。 ヴィーグは言った。 「ご主人様、アイスドラゴンは平気な顔をしていますが、 内心は動揺しています。 ここで安心させると効果的ですよ」 [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](18) 26 王は言った。 「うむ・・・そうじゃとも。『ペトスの祭礼』は50年間行われてはおらぬ。 そうか、アイスドラゴンはその反動であったか・・・ いや・・・祭礼をやめてしまったのは神をないがしろにしたのではない。 レムス山周辺の過疎により、祭司の後継ぎがいなくなっただけなのだよ。 そ、そうじゃとも・・・代わりの祭司を派遣するのは王の務めじゃがの・・・」 王は侍従官に命じ、宝物殿から小さな革袋を持ち出させた。 革袋の中には小さな植物の種のようなものが一粒入っている。 「これはな、『炎の種』じゃ。 鍛冶の神ペトスが育てたと言われる宝物じゃ。 かつてこれはレムスの『ペトスの祭壇』に祭られていた。 年に一度、祭礼が行われ、この『炎の種』を前にして、人間生活に欠かせない鉄や火をもたらした神に感謝の祈りをささげておったのじゃ。 が、その祭礼も時ともに意義が忘れられ、ある事件を境に行われなくなったのじゃ。 その事件とは、熱病の大流行じゃ。 人民は熱病でバタバタと倒れていった。 熱病に最も効果があるとされる『チルドの実』はレムスにしかなかった。 そこでレムスの氷に閉ざされた洞窟の解凍に『炎の種』が使われたのじゃ。 無事『チルドの実』は入手でき、伝染病は終息したが、『炎の種』は残り僅かになってしまった。 『炎の種』が失われたとき、ペトスの恵みである炎が人類から失われるという伝説があってな。この貴重な種を失う訳にはいかなかったのじゃ。 そこで、それからこの王宮に保管してあったという訳じゃ。 しかしそれが元でアイスドラゴンを呼び寄せる結果になろうとは・・・ 約束しよう。この『炎の種』をペトスの祭壇に戻し、今後は毎年の祭礼を欠かさぬようにすると」 王は断言した。 君は、王から『炎の種』を託された。 君は城を出た。 城の門を出たところでヴィーグが待っていた。 「交渉は、脅した後、和解し、懐柔すると効果的です」 [城を出る](2) 27 君とヴィーグは再びレムス山へやってきた。 ヴィーグの案内で氷で覆われた洞窟に入っていく。 迷路の先にアイスドラゴンの棲む大きなホールがあった。 ヴィーグがホールの中に入り、ほどなくして戻ってきた。 ヴィーグは言った。 「アイスドラゴンは目を覚ましています」 君はヴィーグと共にホールに入った。 アイスドラゴンは巨大なホールの中心で、両腕両足をたたみ、寝そべっている。 君に気づくと長い首を上げ、鋭い眼光を向けた。 [『竜の鱗』を破壊してみせる](28 "i01") [「祭礼」を再開を約束する](35 "f08") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](39) 28 「アイスドラゴンよ、人間を侮らない方がよいぞ。 これが、お前たちの運命だ」 [NOILA-TEMで破壊する](29 "mNOILA-TEM") [「祭礼」を再開を約束する](35 "f08") 29 君は『竜の鱗』を投げ捨て、NOILA-TEMを唱えた。 魔法の光線は『竜の鱗』を粉砕した。 ヴィーグは言った。 「ご主人様、アイスドラゴンは平気な顔をしていますが、 内心は動揺しています。 ここで安心させると効果的ですよ」 [「祭礼」を再開を約束する](30 "f08") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](39) 30 ヴィーグはアイスドラゴンに君の言葉を伝えた。 「アイスドラゴンよ、長きにわたり祭礼を欠いていたのは人間の落ち度だ。 私はそなたの意思をわが王に伝え、王はその思いを受け止めた。 わが王は反省し、これからは毎年、祭礼を行うと約束したのだ。 アイスドラゴンよ、もうそなたがここにいる意味は無いはずだ。 人間との軋轢をこれ以上増やさぬ前に、立ち去ってはくれまいか」 ヴィーグは言った。 「ご主人様、アイスドラゴンはまだ疑っているようです。 あと一歩でございます」 [『炎の種』を祭壇に捧げる](31 "i02") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") [ペンタウァに帰る](39) 31 ヴィーグはアイスドラゴンに君の言葉を伝えた。 「アイスドラゴンよ、人間は今度こそ約束を守るだろう。 ここに『炎の種』を置く。 もし人間が祭礼を行わなかったらこの『炎の種』を潰すがよい。 人は炎を失う覚悟をしたのだ」 君は『炎の種』を革袋から取り出し、祭壇に納めた。 アイスドラゴンは動きを止め、何かをヴィーグに伝えたようだ。 ヴィーグは言った。 「アイスドラゴンはご主人様の意思を理解しました。 こう言っております。 『人間どもに伝えよ。今回だけは許してやる。 契約の祭礼をゆめゆめ忘れるでないぞ。 次に契約を破ったときは、これまで見たこともない災厄が降りかかるであろう』」 アイスドラゴンは、大きく翼を広げると2度威嚇するように吠え、飛び去った。 君は目的を達成したのだ。 ![Dragon](castle.png) [さあ、ペンタウァに帰ろう](32) 32 君は町に帰還し、王に謁見した。 「誉れ高き勇者よ、見事な戦いであった。 人の血を流さずに国難を退けたそなたの功績はとてつもなく大きい。 そなたに『ドラゴンネゴシエーター』の称号を与える。 この栄光は永久に称えられるであろう」 この冒険の戦利品は何もない。まさに栄誉だけだ。 しかし君は満足であった。 この国で初めて、暴力ではなく知力だけでドラゴンを退散させたのだ。 君はしばらくの間、冒険の余韻に浸った。 ただ、ひとつだけ心に引っかかっている事がある。 ドラゴノイドのヴィーグの行方だ。 彼がいなくてはこの冒険は成功しなかった。 ヴィーグはペンタウァに帰還した後、王城には入らなかった。 「私の仕事はここまでです。ご主人様、お世話になりました」 城の門前で別れたのを最後に、ヴィーグは姿を消した。 君は、彼を奴隷から解放し、対等な立場で友人になりたいと願っていた。 それだけの知性が、彼にはあったのだ。 [君は獣奴隷の集落へ向かった](33) 33 獣奴隷たちが住む集落は、町の外れにある。 彼らは粗末な木造の家に大家族で暮らし、主に肉体労働で僅かな賃金を得ているのだ。 君は獣奴隷の一人にヴィーグはどこにいるか尋ねた。 驚いたことに彼はそんな名前の仲間を知らないという。 小さな集落だ。知らないという事はないだろう。 君はすべての家を訪ねたが、本当にヴィーグはここに住んでいないようだった。 ![Town](town2.png) [君は大魔法使いエティスを訪ねた](34) 34 君はエティスにこれまでの経緯を話した。 エティスは言った。 「そのドラゴノイドこそが『竜の使徒』なのじゃろう」 君は驚いた。しかしなぜそのような者が獣奴隷などに・・・。 「アイスドラゴンは祭礼を復活させる事が目的だったのじゃ。 かつては目的達成のためにドラゴンは人を襲っていたであろうが、あのアイスドラゴンはそこまでする気はなかった。 しかしな、そのような交換条件をドラゴンから出せば、人のドラゴンに対する最も大事な感情である『畏怖』が、薄れてしまう。 このためにアイスドラゴンは『竜の使徒』を遣わし、わしら人間にチャンスを与えたのじゃ」 君は、エティスの話ですべての謎が解けた気がした。 つまり、もともとヴィーグは奴隷などではなかったのだ。 アイスドラゴンの言葉はすべてヴィーグを通じて得ていた。 本当は「通訳」ではなく、アイスドラゴンの意思を代弁していたのだろう。 いや、もしかするとあれはヴィーグ自身の言葉だったのかもしれない。 いずれにしても、すべてはドラゴンの掌の上だったという訳だ。 君は苦笑した。「ドラゴンネゴシエーター」などという称号が陳腐なものに思えたのだ。 そして、あらためて人を凌駕したドラゴンの力を感じずにはいられなかった。 ただ、思うのだ。 ドラゴンは、人に新たな道を与えたのではないか。 つまり、血を流さずに平和の道を探ることができるという知性を、彼は人に教えたかったのではないか、と。 35 ヴィーグはアイスドラゴンに君の言葉を伝えた。 「アイスドラゴンよ、長きにわたり祭礼を欠いていたのは人間の落ち度だ。 私はそなたの意思をわが王に伝え、王はその思いを受け止めた。 わが王は反省し、これからは毎年、祭礼を行うと約束したのだ。 アイスドラゴンよ、もうそなたがここにいる意味は無いはずだ。 人間との軋轢をこれ以上増やさぬ前に、立ち去ってはくれまいか」 ヴィーグは言った。 「ご主人様、アイスドラゴンはまだ疑っているようです」 [『炎の種』を祭壇に捧げる](36 "i02") [『竜の鱗』を破壊してみせる](37 "i01") [EXPLOSIONを唱える](13 "mEXPLOSION") [NOILA-TEMを唱える](14 "mNOILA-TEM") 36 ヴィーグはアイスドラゴンに君の言葉を伝えた。 「アイスドラゴンよ、人間は今度こそ約束を守るだろう。 ここに『炎の種』を置く。 もし人間が祭礼を行わなかったらこの『炎の種』を潰すがよい。 人は炎を失う覚悟をしたのだ」 アイスドラゴンは動きを止め、何かをヴィーグに伝えたようだ。 ヴィーグは振り向いた。 「アイスドラゴンはご主人様の意思を理解しました。 が、『ご苦労であった。お前の役割はこれで終わりだ』と言ってます」 君はそのヴィーグの後ろでアイスドラゴンが首をもたげ、大きく口を開けるのを見た。 氷点下のブレスを浴び、君は一瞬にして氷の石像と化した。 君は相手にとって都合の良い交渉相手だったのだ・・・ 37 「アイスドラゴンよ、人間を侮らない方がよいぞ。 これが、お前たちの運命だ」 [NOILA-TEMで破壊する](38 "mNOILA-TEM") [『炎の種』を祭壇に捧げる](36 "i02") 38 君は『竜の鱗』を投げ捨て、NOILA-TEMを唱えた。 魔法の光線は『竜の鱗』を粉砕した。 ヴィーグは叫んだ。 「ご、ご主人様、アイスドラゴンが!」 アイスドラゴンは空中に飛び上がったのだ。 アイスドラゴンは空中で旋回し、口から氷のブレスを吐いた。 氷点下のブレスを浴び、君は一瞬にして氷の像と化した。 君の行動をアイスドラゴンは裏切りと受け取ったのだ・・・ 39 これ以上の交渉は無駄だ。 君はペンタウァに戻り、出直すことにした。 君がペンタウァに到着すると、番兵が君を呼び止めた。 「王からの伝言です。 『すでに春が来てもよい時期なのに、北方の穀倉地は雪に埋もれている。 そなたではこの問題を解決できないと判断する』」 君はペンタウァの危機に対して何の対策も講じることができなかった。 君は解任されたのだ。 冒険者としての名声も途絶えることになるだろう・・・