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チュートリアル

文責:山田奈美最終更新日:2005年06月15日

CommunityServerでポータル・サイトを立ち上げよう

キャラクターイラスト

CommunityServerは、その名前のとおりコミュニティサイトを作るためのアプリケーションです。自分でコミュニティサイトを一から作り上げるのは至難の業ですが、CommunityServerには、始めからブログ、フォーラム、フォト・ギャラリー、ゲストブックなどのツールがそろっていて簡単にサイトが作れます。

また、個人で使う場合には、無料で使える嬉しいオープンソースです。ただし、商用で使う場合は有料($179~)です。

Community Serverを見てみよう

Community Serverとは、どんなものなのでしょう。ちょっと覗いてみましょう。

Community Serverには、初期状態で以下の3つのツールが入っています。

Community Serverに初期状態で入っているツール
モジュール名概要
Community Server :: Forumフォーラム機能
Community Server :: Blogsブログ・エンジン
Community Server :: Galleryフォト・ギャラリー
Community Server :: Galleryのトップ画面
Community Server :: Galleryのトップ画面

Community Serverでは、ブログ、フォーラム、ギャラリーなどの追加、ユーザー管理、サイト構成の管理、ログ情報の確認など、ほとんどすべての設定を管理コントロールパネルから行えます。管理コントロールパネルは、トップページのメニューから[管理]を選択します。

Community Serverの一般設定画面
Community Serverの一般設定画面

サイト名やモジュールの有効/無効、メールサーバの選択、などのオプション設定を行うことができます。

いかがですか。インストールするだけで、これだけの機能が詰まったサイトが構築できるなんて便利ですね。ぜひ、活用してみてください。

Community Serverをインストールしよう

さて、それでは早速Community Serverをインストールしてみましょう。

  1. インストールの前準備
  2. Community Serverをインストールする前に、サーバに以下のソフトが入っているか確認しましょう。レンタルサーバを利用している方も、確認してください。

    • Microsoft .NET Framework 1.1
    • Internet Information Services 5.x以降
    • SQL Server 2000(MSDE)

    上記のソフトがサーバに入っていない場合は、先にこれらのソフトをインストールしてください。(レンタルサーバを利用している方は、管理者に問い合わせてください)インストール方法は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定」などを参照してください。

  3. インストールファイルを入手、展開する
  4. 以下のサイトにアクセスしてください。インストールファイルをダウンロードするには、まず、ユーザ登録とライセンス条項の確認が必要です。

    http://www.telligentsystems.com/Solutions/license.aspx?File=cs_1.0.exe

    ライセンス条項を読み、氏名、メールアドレスなどを入力して、[I agree]ボタンをクリックしてください。ユーザ登録が済むと、数分後に登録したメールアドレス宛に登録完了メールが届きます。届いたメール本文に書かれているURLにアクセスして、インストールファイル「cs_1.0.zip」をダウンロードします。「cs_1.0.zip」ファイルは、任意のフォルダ(ここでは「c:\」フォルダ)に展開します。

  5. データベースを作成する
  6. Community Serverは、データベース(MSDEまたは、SQL Server)を使ってデータを管理します。

    まずは、空のデータベースを作成しましょう。Community Serverで必要となるテーブルやストアド・プロシージャなどはインストールの際に自動で作ってくれます。

    データベースの名前は何でも構いませんが、ここでは「CommunityServer」とします。

    データベースの作成は、コマンドプロンプトからosqlコマンドを使って行います。

    以下のようにコマンドを入力してください。

    > osql -h(local) -Usa
    パスワード : **
    1> CREATE DATABASE CommunityServer
    2> GO
  7. 仮想ディレクトリを作成する
  8. インストールファイル展開後に作成される「/CS_1/Web」フォルダに、以下の表のとおり仮想ディレクトリを作成します。

    仮想ディレクトリ設定
    項目概要設定値
    エイリアス仮想ディレクトリを呼び出す名前cs
    ディレクトリ仮想ディレクトリに関連づける物理パスC:\CS_1\Web
    読み取りファイルの読み込みを許可
    ASP等のスクリプトを実行するスクリプトの実行を許可
    ISAPIアプリケーションやCGI等を実行する「.dll」「.exe」ファイルの実行を許可×
    書き込みファイルの書き込みを許可×
    参照ファイル一覧の参照を許可×

    作成手順については、関連記事を参照してください。

  9. インストーラの利用を有効にする
  10. Community Serverは初期状態で、インストーラの利用が無効に設定されています。もし、有効になっていたら、サイトを訪れた人が誰でも自由にインストールを起動することができてしまいます。これはセキュリティ上、問題です。

    ここではインストールを行いたいので、まずインストーラの設定を有効化することから始めましょう。

    メモ帳など(テキスト・エディタ)から「/CS_1/Web/Installer/default.aspx」を開いて、15行目付近の1行を以下のように書き換えて、上書保存してください。

    bool INSTALLER_ENABLED = false; → bool INSTALLER_ENABLED = true;
  11. インストール・ウィザードを起動する
  12. ブラウザから以下の画面にアクセスしてください。インストール・ウィザードが起動します。

    http://ドメイン名/cs/installer

    ※例 http://localhost/cs/installer

    途中で入力/選択が必要な項目が出てきます。以下の表を参考に入力してください。

    Community Serverインストール時の設定例
    画面項目設定値(例)
    Community Server Database LoginIP address or Server Name(local)
    Windows Authentication/SQL Server AuthenticationSQL Server Authentication
    Usernamesa
    Passwordsa
    Select Database InstanceAvailable DatabaseCommunity Server
    Choose Installation Options各項目(すべてチェック)
    Create new CommunityCommunity Urllocalhost/cs
    Usernameadmin
    Passwordadmin

    実際には、データベースやコミュニティのパスワードは、推測されにくいものを設定しましょう。設定項目について、ここでは、すべてlocalhostを例に解説していますが、自分のWebサーバ環境に従って読み替えて設定してください。

    [Create new Community]画面が表示されたら[Next >]ボタンをクリックします。インストールが開始されます。

    インストール完了後、以下のような画面が表示されれば成功です。

    CommunityServerのインストール完了画面
    CommunityServerのインストール完了画面

    インストール後は、手順[5]と逆の手順で、インストーラの利用を無効に設定しましょう。代わりに「/CS_1/Web/Installer」フォルダをフォルダごと削除してもOKです。

    注意

    サーバの環境設定によって、インストールでweb.configの更新に失敗することがあります。[Complete]画面でweb.configを書き換えなさい、と表示された場合は、web.configの編集を手動で行う必要があります。「/CS_1/Web/web.config」をテキスト・エディタで開いて、16行目付近を以下のように変更してください(太字の部分は、画面の指示に従って読み替えてください)。

    <add key="SiteSqlServer" value="server=(local);uid=sa;pwd=sa; Trusted_Connection=no;database=CommunityServer" />
  13. フォルダに書き込み権限を設定する
  14. 「/CS_1/Web/blogs」「/CS_1/Web/photos」フォルダの[Network Service]ユーザ(または[ASPNET]ユーザ)に書き込み権限を設定してください。セキュリティ権限の設定は、エクスプローラから該当フォルダのプロパティ画面を開きます。プロパティ画面の[セキュリティ]タブをクリックして、[グループ名またはユーザ名]欄の[追加]ボタンをクリックします。[ユーザーまたはグループの選択]ダイアログが開くので、[Network Service]ユーザ(または[ASPNET]ユーザ)を入力して、[OK]ボタンをクリックします。先ほどの[グループ名またはユーザ名]欄より、追加したユーザを選択して[書き込み]の許可欄にチェックを入れてください。

    ただし、Cervi.jpなどのレンタルサーバでは、自分でこの操作ができないことがあります。その場合は、レンタルサーバ管理者に問い合わせしてください。

Community Serverを日本語化しよう

インストール直後のCommunity Serverは、英語環境になっています。このままでも、もちろん使えますが、英語の苦手な方にも使ってもらえるように、日本語化しておきましょう。

  1. communityserver.configを編集する
  2. 「/CS_1/Web」フォルダの「communityserver.config」ファイルをメモ帳などのテキスト・エディタで開いて、60行目付近のdefaultLanguage属性(要素)を「en-US」から「ja-JP」に変更します。

    <Core defaultLanguage="ja-JP" forumFilesPath="/"
  3. 日本語リソースファイルを該当フォルダにコピーする
  4. Community Serverには、標準で日本語リソースファイルが入っているので上記の手順だけでも、そこそこ日本語環境が実現できます。しかし、翻訳されていない部分もあり、あまり使いやすいとは言えません。そこで、ここでは原水氏の「日本語化リソース」、猪又氏の「日本語イメージボタン」を使って、もう少し日本語環境を整えてみましょう。それぞれダウンロードしたリソースを、以下の表のとおり該当のフォルダにコピーしてください。

    日本語リソース、イメージボタンの入手先
    名称展開先
    日本語リソース「/CS_1/Web/Languages/ja-JP」フォルダ
    日本語イメージボタン「/CS_1/Web/Themes/default/images」フォルダ
    注意

    執筆(2005年5月)時、日本語イメージボタンは「Community Server 1.0 RC1」対応です。

  5. Community Serverが日本語化できたか確認する
  6. ブラウザから以下のURLを起動し、Community Serverが日本語化できたかどうか確認してみましょう。

    http://localhost/cs/

    以下のような画面が表示され、メニューやボタンが日本語化されていれば成功です。なお、トップページの文章などは英語のままなので、注意してください。

    右上の[ログイン]メニューから管理者権限でログインした画面
    右上の[ログイン]メニューから管理者権限でログインした画面
コンテンツの終わりです。